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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅱ.チャネルに作用する薬物 放出チャネル

リアノジン受容体とIP3受容体―リアノジン受容体

著者: 飯野正光1

所属機関: 1東京大学医学部薬理学講座

ページ範囲:P.421 - P.423

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 小胞体膜上に存在するCa2+放出チャネルである。約5,000個のアミノ酸から成る蛋白質が四量体としてチャネルを形成する。3種類の遺伝子が存在して,1,2,3型のサブタイプがある。これらはホモ四量体を形成するが,発現分布と機能を異にしている。1型と2型はそれぞれ骨格筋と心筋の興奮収縮連関に関与している。また,中枢神経系と平滑筋細胞にも存在するが,その機能はまだ十分に明らかでない。一方,3型は中枢神経系と骨格筋を含んで広く全身で発現が認められ,少なくとも中枢神経系の機能に関与することがノックアウトマウスの行動から推測されている。
 植物アルカロイドのryanodineが強く結合するためにこの名称があるが,ryanodineは動物の生体内での生理的なアゴニストではない。生理的な活性化因子として最も重要なのはCa2+イオンであり,このためCa2+によるCa2+放出(Ca2+-induced Ca2+release,CICR)機構1)とも呼ばれる。カルシウムに対する感受性は,2型>1型>3型の順で高いとする考えが有力である。骨格筋の興奮収縮連関では,ジヒドロピリジン受容体(L型電位依存性カルシウムチャネル)からの直接の情報を受け取って開口する。また,カルモジュリンもリアノジン受容体の機能を制御し,低濃度Ca2+存在下では促進作用を,数μM以上の高濃度Ca2+存在下では抑制効果を現す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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