icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅲ.トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物

GABA

著者: 山本由美子1 大和谷厚1

所属機関: 1大阪大学医学部医用物理学講座

ページ範囲:P.438 - P.440

文献購入ページに移動
 抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は,GABA作動性神経から遊離された後,神経終末およびグリア細胞にあるGABAトランスポーターの働きにより細胞外液中から取り除かれる。このGABAトランスポーター(以下,GAT)については,1990年Guastella1)らによりラットGAT-1がクローニングされて以来,現在までに少なくとも4種のサブタイプの存在(GAT-1,GAT-2,GAT-3,BGT-1)が知られている。BGT-1は当初,腎臓での浸透圧維持に関わるベタインのトランスポーターとして発見されたが,高いGABA輸送能をもつことから,ベタイン/GABAトランスポーター(BGT)と命名されたものである。これら4種のGATはすべて12回膜貫通型のNa-Cl-イオン共役型トランスポーターファミリーに属し,GAT-1とGAT-3は神経系に,GAT-2は神経系以外に,BGT-1は両者に分布している。
 なお,GATのサブタイプの呼称についてラット,ヒト,イヌではGAT-1,-2,-3,BGT-1,マウスではGAT 1,2,3,4とされているが,遺伝子配列から判断すると,GAT-1とGAT 1,GAT-2とGAT 3,GAT-3とGAT 4,BGT-1とGAT 2が相同であると考えられる。また,かってGAT-A,-BとされたものはGAT-1,-3のことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?