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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅲ.トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物

アデノシン

著者: 秦順一1 賀来智宏1

所属機関: 1兵庫医科大学第二生理学教室

ページ範囲:P.445 - P.447

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 中枢神経系ではアデノシンは生理的条件下では神経伝達を修飾し,病理的条件下では多量に遊離され,神経保護作用をもつ1-3)
 細胞内ではアデノシンは5'-ヌクレオチダーゼによって5'-AMPが脱リン酸化されて産生される(図1)3-5)。また,S-アデノシルホモシステイン(SAH)からSAHヒドラーゼにより,アデノシンは産生される。アデノシンはアデノシンキナーゼ(ADK)によってリン酸化されて5'-AMPとなるか,あるいはアデノシンデアミナーゼ(ADA)によって脱アミノ化されてイノシンに分解される。アデノシンはアデノシントランスポーターによって細胞外に遊離される。また,補助伝達物質としてATPはエキソサイトーシスにより他の伝達物質と共に遊離される。ADKはラットやヒト脳では均等に分布しているのに対して,ADAはラット脳では不均等に分布している。ADAはオリゴデンドログリアや内皮細胞に多く存在するが,ニューロンにもある。細胞外ではエクト-5'-ヌクレオチダーゼによって5'-AMPが脱リン酸化されて,アデノシンは産生される。エクト酵素であるADAによりイノシン,ヒポキサンチンに分解される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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