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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅲ.トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物

セロトニン

著者: 岸昭宏1 山本経之1

所属機関: 1九州大学薬学部薬理学教室

ページ範囲:P.457 - P.459

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 セロトニン(5-HT)の脳における存在は,Twarog & Pageによって明らかにされた。この発見を契機に脳内における神経伝達物質としてのセロトニンの生理的役割およびその欠損に伴う病態が明らかにされてきた。一般に,伝達物質は神経インパルスに応じて神経終末部から遊離されたのち,一部は受容体に作用するが,他の大部分(80%)は再び終末部に取り込まれる。伝達物質の不活性化機構には伝達物質の酵素分解とともに,この再取り込み機構が重要な役割を演じている1)。能動輸送形態をとり,ラットの脳シナプトソームを用いて測定した[3H]5-HTの取り込みのK1(親和性)およびVmax(密度)値には脳の部位による差が認められ,いずれも辺縁系-線条体が大脳皮質,間脳および下位脳幹のそれよりも高い。
 本項では,セロトニンの神経終末部での遊離および取り込み機構に影響を及ぼす薬物をあげ,概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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