icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅲ.トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物

ドーパミン

著者: 島添隆雄1 渡辺繁紀1

所属機関: 1九州大学薬学部薬理学教室

ページ範囲:P.460 - P.463

文献購入ページに移動
 ドーパミンは1959年のHoltzの報告を端緒として研究が進展し,脳内神経伝達物質の一つであることが証明された。ドーパミン神経系は大きく以下の三つの系統に分けられる。黒質―線条体系は黒質(A9),中脳網様体(A8),腹側被蓋野(A10)から線条体への投射系で,錐体外路系における運動機能に中心的役割を果たす。中脳一辺縁系は黒質(A9),中脳網様体(A8),腹側被蓋野(A10)から辺縁系皮質および辺縁系への投射系で,精神分裂病などの精神疾患との関わりが深いと考えられている。もう一つが漏斗―下垂体系で間脳(A11-A15)から下垂体間葉,正中隆起などへの投射系で,ホルモン分泌の調節機能を有している。
 ドーパミンの放出には,活動電位に基づくCa2+依存性のものとCa2+非依存性,Na依存性でドーパミントランスポーターの逆回転によるものとが考えられている。放出されたドーパミンは,一部は分解酵素[モノアミンオキシダーゼ(MAO),カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)]による代謝を受け不活化されるが,大部分はドーパミントランポーターによって再び神経終末に取り込まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら