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特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅳ.代謝的に作用する薬物
ホスホジエステラーゼ
著者: 浅沼幹人1
所属機関: 1岡山大学医学部分子細胞医学研究施設神経情報学部門
ページ範囲:P.499 - P.501
文献購入ページに移動PDE 1(Ca/calmodulin(CaM)-dependent)はCa/CaMにより活性化され,cAMP,cGMPの両者を基質として分解する細胞質分画酵素で,PDE 1A2,1A3,1B1,1C1,1C2,1C3,1C5のアイソザイムが脳に局在している。1A2は大脳皮質,海馬に多く4),cAMPで活性化されたAキナーゼによりリン酸化され,さらにcAMPを増加させる。1B1の局在はドーパミン(DA)D1レセプターと酷似しており,D1レセプターを介したcAMP二次伝達系に対するCa/CaMによる制御に関与しており4),CaMキナーゼⅡによりリン酸化され阻害される。1C2は嗅神経に限局し,嗅刺激後のcAMP,cGMPの増加を一過性にする。
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