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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅳ.代謝的に作用する薬物

ホスホリパーゼC

著者: 西田朗1 山脇成人2

所属機関: 1国立呉病院臨床研究部精神神経科学研究室 2広島大学医学部神経精神医学講座

ページ範囲:P.502 - P.504

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 イノシトールリン脂質特異的ホスホリパーゼC(PLC)は,細胞膜のリン脂質のひとつであるホスファチジルイノシトール二リン酸(PIP2)を分解して,細胞内二次メッセンジャーであるジアシルグリセロールとイノシトール三リン酸を産生し,それぞれプロテインキナーゼC活性化と細胞内カルシウム放出を引き起こして細胞内へ情報伝達を行う1,2)。さらに最近では,PIP2自体が膜蛋白質の機能や膜接着性の調整を行っていることが明らかになり,この機能もPLCがPIP2を分解することで修飾するためにPLCの新知見の役割として注目されてきている。
 PLCアイソザイムはβ,γ,δ型の3ファミリーに大別されている(図1)。3型とも高い(40-60%)アミノ酸配列相同性のあるX,Y領域を持つ。N末端側にpleckstrin homology(PH)部位とEFハンド部位を持ち,Y領域のC末端側にC2部位がある。さらに,PLCγのみXとY領域の間にsrc homology(SH)部位(二つのSH 2と一つのSH 3)とSH部位を挟むPH部位が存在する。X,Y領域は触媒部位,PH部位はPIP2を介して膜結合する部位,EFハンドとC2部位はカルシウムによる活性調整部位と考えられている。SH部位はリン酸化チロシンに結合して活性化シグナルを伝達する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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