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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅳ.代謝的に作用する薬物

モノアミンオキシダーゼ

著者: 江頭亨1

所属機関: 1大分医科大学薬理学教室

ページ範囲:P.505 - P.506

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 モノアミンオキシダーゼ(MAO)はモノアミン類を酸化的に脱アミノする酵素として知られ,種々の動物の組織中に存在し,細胞内では主としてミトコンドリア外膜のリン脂質と強固に結合している。MAOの補酵素はFADで,脳内でのMAOは神経終末に多く存在することから,中枢神経系との関りが重要視されている。1968年以後,基質および阻害剤特異性の研究からMAOの複数性が論じられ,MAOにはA型MAOとB型MAOが存在し,最近ではそれぞれの分子量測定やクローニングもされている。それと同時に選択的な阻害剤の開発も進んだ。特に,acetylenic系のMAO阻害剤であるclorgyline,i-deprenyl,pargylineはいずれも最初はA型およびB型MAOの基質として作用し,生成中間体となり,これが補酵素FADに結合し酵素活性を失活させる。MAO阻害剤の阻害強度は,一般的にK1値やIC50値が用いられているが,これらの値はその測定条件で相違する。(1)使用する動物の種,臓器の種類や細胞内分画でA型およびB型MAOの含量が相違する。(2)A型〔5-HT,norepinephrine(NE)〕,B型〔β-phenylethylamine(β-PEA),benzylamine〕および両タイプ(tyramine,dopamine)のMAOの基質のうち,いずれを使用したか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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