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特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子
心臓形成に関与するホメオボックス遺伝子
著者: 塩島一朗1
所属機関: 1東京大学医学部循環器内科
ページ範囲:P.555 - P.564
文献購入ページに移動 近年,発生生物学に分子生物学的手法が取り入れられたことにより,様々な領域において器官発生に関する研究が広く行われるようになっている。心臓は胎児発生の過程で最初に造られる臓器であるが,実際にどのような分子あるいはどのような情報伝達経路が心臓の発生に関与しているのかについてはほとんど不明であった。最近になって,循環器領域においても分子生物学的側面から心血管系の発生に関する研究が行われるようになり,特にショウジョウバエにおけるtinmanおよび脊椎動物におけるtinman関連遺伝子の一つCsx/Nkx-2.5が心臓の発生に必須な組織特異的ホメオボックス遺伝子であることが明らかにされて以後,転写調節因子を軸に心臓の発生・心筋細胞の分化を制御する分子機構が少しずつ明らかにされつつある。本稿では,これらホメオボックス遺伝子の機能を中心に,これまで明らかにされた心臓発生の分子機構について概説する。
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