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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻6号

1998年12月発行

文献概要

特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子

神経系の発生におけるホメオボックス遺伝子の発現

著者: 幡野雅彦1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究科発生医学講座分化制御学

ページ範囲:P.565 - P.572

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 ホメオボックス遺伝子はショウジョウバエにおいて体節の決定を行う遺伝子として発見され,60アミノ酸からなるホメオドメインを介して特異的なDNA配列に結合し転写因子として作用する。この遺伝子はショウジョウバエのみならず,マウス,ヒトなどの哺乳動物や線虫,植物においても保存されていることが明らかとなり,生物一般において個体の発生,細胞分化を決定する重要な働きをしていることがわかってきた。ショウジョウバエではホメオボックス遺伝子は染色体上でHOMとよばれるクラスターを形成しており,マウス,ヒトにおいても四つの染色体においてクラスターを形成し,それぞれHOXA~Dと呼ばれている。これらのクラスターに属するHOX遺伝子群は,主として個体の前後軸にそった領域の構造形成に関わっている。一方,クラスター以外にもいくつかの染色体上に孤立したホメオボックス遺伝子が存在する。クラスター外のホメオボックス遺伝子は主として細胞の分化の方向づけに関わるものや,増殖および生死を決定しているものが多い。
 われわれはHOXクラスターに属さないホメオボックス遺伝子の一つ,HOX 11遺伝子ファミリーの機能について解析している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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