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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻6号

1998年12月発行

文献概要

特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子

骨格形成に関与するホメオドメインタンパク―ZFHファミリータンパク,δEF1のノックアウトマウスの解析から

著者: 東雄二郎1

所属機関: 1大阪大学細胞生体工学センター

ページ範囲:P.594 - P.601

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 本特集においてはホメオボックスを有する遺伝子の個体発生における機能を紹介しているが,現在までに明らかになっているホメオボックス遺伝子ファミリー(すなわちタンパクレベルではホメオドメインをコードするもの)は図1に示されたとおりである。ホメオドメインはDNA結合能を持つ約60アミノ酸からなる配列である。その中にはαヘリックス1-βターン-αヘリックス2-βターン-αヘリックス3(この3番目のヘリックスを二つのヘリックスからなるとする見方もある)の二次構造が存在し,そのDNA結合状態における高次構造は酵母からヒトに至るまで保存されている1)
 このようなホメオドメインを持つタンパクは,そのホメオドメインだけではなく,さらに別の異なったアミノ酸のモチーフやドメインを有することが多い。図2にそれらのモチーフも含めた形でホメオドメインタンパクのファミリーを示した。ホメオドメインタンパクとして最初に発見されたショウジョウバエANTPタンパクは,脊椎動物ではいわゆるHox遺伝子群のホモローグであり(総称してHOM-C/HOX遺伝子と呼ばれている),ホメオドメインの上流にそのコンセンサス配列としてIYPWMKを有するHexapeptideファミリーに属する(図2)。本特集で紹介されている遺伝子のほとんどは,図のいずれかのファミリーに属するホメオドメインタンパクをコードするものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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