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文献詳細

雑誌文献

生体の科学5巻1号

1953年08月発行

文献概要

報告

人體神經及び筋の電氣刺激閾値測定法—Balancing network法による

著者: 本間三郞1

所属機関: 1千葉大學醫學部生理學教室

ページ範囲:P.33 - P.36

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 神經及び筋の電氣刺激閾直は摘出標本にては簡單に,且つ色々の刺激要素をも求められる。人體神經及び筋にてはLapicque1)及びBurguignon2)以來臨床的に測定され,應用されてきたが,人體においでは刺激電流は經皮的に與えられるから標本實驗の方法をそのまゝ適用することはできない。Lapicque等もその點を考慮して人體測定を成したのであるけれども,皮膚の電氣的性質の詳細が判明したのはそれ以後のことで,現在ではその考慮のみでは充分でないのである。即ち増幅,記録装置の進歩によつて皮膚の容量成分の性質言いかれば皮膚電氣容量の値並びに誘導する電極の大小との關係等が明確化されたのであつて3),Lapicque等の抵抗成分のみでは充分意を盡さず,しかも容量成分をもとゝする電流變形の時間が神經の利用時に關係して閾値測定に際し大なる役割を果しておると考えられるからである。同樣な考えの下に最近和合4)によつて測定方法が考案され上述の難點が幾分なりとも緩和されたのであるが,複雑な,進んだ研究にはやはり不適當である。ともかく皮膚に左右される事なく神經及び筋の閾値が求められることが理想的である。皮膚というものは環境變化に敏感に反應し,從つて電氣的性質も變つてくるから尚更なのである。以下測定方法を説明しつゝその意とするところを合せ述べてゆくことにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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