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文献詳細

雑誌文献

生体の科学5巻2号

1953年10月発行

文献概要

論述

脳下垂體中葉ホルモンの視紅再生に及ぼす影響

著者: 花岡利昌1

所属機関: 1奈良女子大學保健學教室生理學研究室

ページ範囲:P.59 - P.64

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 腦下垂體中葉ホルモンIntermedinは下等脊椎動物の體色變化に與るものとしてMelanophore Expanding Hormone又は單にMelanophore Hormone(以下MHと稱す)とも言われている。MHが温血動物の腦下垂體にも多量見出されるにも拘らずその機能は不明であつた。MHが色素細胞の運動に關與する外に光覺に關係するものであることを最初に研究したのはJores20)である。彼は器官及び體液中のMHの含有量を比較研究して器官では腦下垂體を除いては眼球及び間腦に,體液では血液と房水にのみ見られる事を示した21)22)。更に彼は又暗所に飼育したり,眼を覆つて飼育した家兎の眼球内のMHが明所で飼育したもののそれに比較して多量である事,更に人,モルモツト,猫,鶏の脳下垂體乾燥粉末のmg當りMH量を調べて夜行性の猫が夜盲である鶏の60倍もある事等よりMHが暗視に關係のあるものと考えてMHを人眼の一方に點眼し他眼を對照として13人の被驗者を用いて暗順應の時間を計り平均11分短縮されるのを見た(對照眼で平均50分20))。Buschke3)は追試して之を否定したがJores24)は其後更に40人の被驗者中34人が點眼によつて暗順應を早められた結果を出し,先の發表を再確認している。近年多羅尾29)は點眼により,安間32)は點眼及び皮下注射によりそれぞれこの効果を認めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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