文献詳細
文献概要
展望
神經,筋の電氣活動とイオン(續)—最近の電氣生理學の1トピツク
著者: 古河太郞1
所属機関: 1大阪市立醫科大學生理學教室
ページ範囲:P.124 - P.131
文献購入ページに移動 Ⅳ."Voltage clamp"實驗12)〜16)
神系興奮に際して形質膜の透過性が變化する結果,Naが内部に入り,逆にKは外に出る事が明になつたが,これらのイオンの出入がどんな時間的經過を有するか,或はそれらと膜電位との關係はどうなつているか等,多數の問題が殘されている。Hodgkin,Huxley & Katz(1952)によつて行われた"voltage c amp"實驗は神經が電氣活動を行う際のイオンの移動を支配する法則を決定する目的で行われたものであつて,これによつて上述の疑問點はことごとく一應の解決を見るに至つたと云つてよい。この巨大軸索について行われた一連の實驗は極めて精密なものであつて,形質膜の生理學の到達し得る一つの頂點を形成するものと云つても過言ではあるまい。ここではやや繁雑にわたる嫌はあるがこの實驗の要點を紹介しようと思う。
神系興奮に際して形質膜の透過性が變化する結果,Naが内部に入り,逆にKは外に出る事が明になつたが,これらのイオンの出入がどんな時間的經過を有するか,或はそれらと膜電位との關係はどうなつているか等,多數の問題が殘されている。Hodgkin,Huxley & Katz(1952)によつて行われた"voltage c amp"實驗は神經が電氣活動を行う際のイオンの移動を支配する法則を決定する目的で行われたものであつて,これによつて上述の疑問點はことごとく一應の解決を見るに至つたと云つてよい。この巨大軸索について行われた一連の實驗は極めて精密なものであつて,形質膜の生理學の到達し得る一つの頂點を形成するものと云つても過言ではあるまい。ここではやや繁雑にわたる嫌はあるがこの實驗の要點を紹介しようと思う。
掲載誌情報