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文献詳細

雑誌文献

生体の科学5巻6号

1954年06月発行

文献概要

綜説

Glucuron酸抱合—特にGlucuron酸の母質に関して

著者: 白井陽一1

所属機関: 1神戸医科大学医化学教室

ページ範囲:P.259 - P.264

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 Glucuron酸が尿へ排泄せられる現象は,いろいろな藥物の投与に際して見られ,此の際Glucuron酸は投与せられた藥物もしくはその生体内変化物と,1位の炭素(以下C-1と略記する)のHalbacetal-OHに於て結合(即ちGlucuronde形成)して居るのが普通である。此のGlucuronide形成もしくはGlucuron酸抱合と呼ばれる現象は,所謂解毒機転の一つとして,Ether硫酸抱合やGlycinの結合と並んで重要なものであるにも拘わらず,その形成機序は全く未解決のまま残されて居る。
 尿中のGlucuron酸はその抱合型式より,次の3型に分類する事がでる。その第1はEther型Glucuronideと呼ばれるもので,水酸基を持つた藥物と抱合して居る。此の際Phenol類や,第3級Alkoh 1の様に,それ以上酸化され難い物質に限らず,EthanolやMethanolの様に,生体内で容易に酸化分解されるAlkoholも抱合の対象となり得る1)。是等Ether型Glucuronideがβ型Glykoside系に属する事は,その合成試験及びEmulsinにより分解を受ける事2)から見て間違いなかろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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