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文献詳細

雑誌文献

生体の科学5巻6号

1954年06月発行

文献概要

論述

筋肉収縮に於けるグアニジン—Kinase系の役割—刺激の作用機作についての一考察

著者: 殿村雄治1 八木康一2

所属機関: 1北海道大学触媒研究所 2北海道大学藥理学部化学教室

ページ範囲:P.279 - P.284

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 序論
 よく知られているように,筋肉の收縮は筋肉線維を構成している構造蛋白質である線維状アクチンとミオシンの結合物アクトミオシン(AM)と高エネルギー燐酸結合を持つアデノシン三燐酸(ATP)との相互作用の結果として起ることがEngelhardt, A. v. Szent-Gyögyi等の仕事によつて殆んど確定的となつている。この相互作用と生理学で知られている筋肉收縮の諸相との対応はまだ充分確かになつていないが,Weber1)及び我我2)に従つてその概要を示せぼ第1図のごとくである。
 收縮弛緩が起るためにはATP-ase活性中心以外のいくつかの吸着点にATPの吸着していることが必要であるが(可塑剤としてのATP),これらは收縮回路中大体変化しないと考えられるので,こゝでは簡単のためにこのことに触れないでおく(cf. 2)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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