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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻2号

1999年04月発行

文献概要

特集 リソソーム:最近の研究

リソソーム崩壊機構

著者: 荒井國三1 大熊勝治1

所属機関: 1金沢大学薬学部分子細胞薬学講座

ページ範囲:P.111 - P.116

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 リソソームの崩壊現象については,たとえば細胞がネクローシスする際に,細胞質のイオン輸送系が崩れるためリソソーム膜が障害を受け,それが原因で崩壊したリソソームから漏出した加水分解酵素により細胞が溶解するとか,老化した神経細胞においてリソソーム膜が脆弱化し崩壊しやすくなっている,などの報告がある。いずれも細胞の全般的な機能低下の結果起こる現象の一つとしてとらえられており,リソソーム崩壊機構やその調節,さらには生理的な意義に関する考察はない。しかし,リソソーム酵素カテプシンによりアポトーシスが誘導されることが明らかにされるなど1,2),リソソームの崩壊が生理的に重要な意味を持っている可能性が示されつつある。
 われわれは,セルフリーのin vitro実験系で,(1)塩基性薬物によるリソソーム崩壊現象,および(2) GTPγS処理したサイトゾルによるリソソーム崩壊現象を発見し,その機構を検討してきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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