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特集 時間生物学の新たな展開
生物時計とリミットサイクル
著者: 重吉康史1 岡村均1
所属機関: 1神戸大学医学部解剖学第二講座
ページ範囲:P.162 - P.168
文献購入ページに移動 生物がサーカディアンリズムとよばれる,約24時間を周期とした行動および生理的現象の変動を示すことは,古くより知られている。このような周期的変動は生物が恒常条件下におかれても継続することから,生体の内部に自律性の発振機構が存在することが明らかになった。サーカディアンリズムの発信源である生物時計(biological clock)は,いかにして長期にわたる安定した振動を生み出すことができるのであろうか。また,いかにして外界の情報を捉え,体内に存在する時間を環境に同調させるのであろうか。最近の時計遺伝子の発見とその機能の解析によって,このような問いに対してかなりの回答が与えられている。
この稿においては,これらの時計遺伝子を中心として,体内時計に関する振動現象,同調現象がどのような機序によって成り立っているのかを概説する。
この稿においては,これらの時計遺伝子を中心として,体内時計に関する振動現象,同調現象がどのような機序によって成り立っているのかを概説する。
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