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特集 時間生物学の新たな展開
脳時計と末梢時計―ラットPeriod遺伝子から見た末梢組織日周リズムの中枢支配
著者: 石田直理雄1
所属機関: 1工業技術院生命工学工業技術研究所生体情報部時計遺伝子
ページ範囲:P.175 - P.181
文献購入ページに移動 ショウジョウバエにおいては,脳内にマスタークロックがあるという仮説(主時計説)と,各組織にサブクロックが存在し,これが光によって同調されているという説(太陽光仮説)が共存し決着がついていない。
一方,哺乳類では行動をはじめとする多くの日周現象の主時計がSCN(suprachiasmatic nucleus)にあると考えられてきたが(主時計説),最近になって膝の下に存在する網膜外の日周期光受容系の話や,線維芽細胞の培養系に高血清刺激を与えるとリズミックな遺伝子発現がみられるなど,哺乳類におけるサブクロックの存在を示唆する結果も得られてきている。そこで,この2仮説(主時計説・太陽光説)のどちらが哺乳類では正しいかを検証する目的で,ラット脳からperiod(per)ホモログを単離し,各末梢組織でのラットperホモログmRNA発現の動態を検討するとともに,日周期行動リズムの消失したSCN破壊ラットを用いてこれら遺伝子発現の変化を検討した。
一方,哺乳類では行動をはじめとする多くの日周現象の主時計がSCN(suprachiasmatic nucleus)にあると考えられてきたが(主時計説),最近になって膝の下に存在する網膜外の日周期光受容系の話や,線維芽細胞の培養系に高血清刺激を与えるとリズミックな遺伝子発現がみられるなど,哺乳類におけるサブクロックの存在を示唆する結果も得られてきている。そこで,この2仮説(主時計説・太陽光説)のどちらが哺乳類では正しいかを検証する目的で,ラット脳からperiod(per)ホモログを単離し,各末梢組織でのラットperホモログmRNA発現の動態を検討するとともに,日周期行動リズムの消失したSCN破壊ラットを用いてこれら遺伝子発現の変化を検討した。
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