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特集 時間生物学の新たな展開
運動活性の概日リズムの視交叉上核統御:バソプレッシン
著者: 磯部芳明1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部第二生理学講座
ページ範囲:P.182 - P.187
文献購入ページに移動 近年,時計関連遺伝子が多数発見され,そのリズム性と発現機序が急速な勢いで解明されてきている。この遺伝子に支配調節される物質の細胞レベル,器官レベル,個体レベルでの概日リズムの発現様式は今後の最大の課題だと考えられるが,それに関与する可能性の大きなものとしてArg-vasopressin(AVP)を紹介する(図1)。なお,最近の視交叉上核(suprachiasmatic nucleus;SCN)での時計遺伝子に関しては柴田ら1),内匠,岡村2)の総説を,哺乳動物の生物時計としての視交叉上核内のペプタイドに関しては井上,柴田3)の,また最近のリズム研究の進展状況については安倍,本間ら4,5)のレビューをご参照いただきたい。
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