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特集 時間生物学の新たな展開
概日リズムと細胞内信号系
著者: 守屋孝洋1 柴田重信2
所属機関: 1早稲田大学人間総合研究センター 2早稲田大学人間科学部薬理学講座
ページ範囲:P.200 - P.206
文献購入ページに移動一方,最近の分子生物学手法の発展に伴い,体内時計を構成する分子的基盤が明らかになりつつある。哺乳類でも,ショウジョウバエの時計遺伝子perのホモログ(per 1,2,3)がクローニングされた。これらの時計遺伝子はその転写,翻訳,翻訳産物の核内移行,自身の転写抑制といった,いわゆるネガティブフィードバックループを形成することによって約1日のリズムを生み出すことが報告されている。さらに,per遺伝子の遺伝子上流に作用してその発現を惹起するbmal 1およびclockも単離され,ネガティブフィードバックループを回転させる駆動力としての役割が注目されている。このような時計遺伝子によって構成される体内時計の最小マシーナリーからは,その生み出す時刻情報が細胞内全体に伝達され,神経発火やエネルギー代謝などの神経活動リズムとして表されることは容易に想像できる。
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