icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻3号

1999年06月発行

文献概要

特集 時間生物学の新たな展開

線虫C. elegansにおける生物時計

著者: 桂勲1

所属機関: 1国立遺伝学研究所構造遺伝学研究センター

ページ範囲:P.207 - P.211

文献購入ページに移動
 線虫C. elegans(Caenorhabditis elegans)は,生物個体の発生と行動を分子生物学的・遺伝学的手法で研究するのためのモデル生物である。その特徴として,飼育が簡単,世代時間が短い,体の構造が単純,神経・筋肉・腸・生殖器官など高等動物と対応する組織・器官がある,簡単な学習機能を持つなどが挙げられる。また,受精卵から成虫に至る全細胞系譜と形態的な全神経回路が解明されているので,発生や神経機能について,個々の細胞単位で解析することができる。昨年末に全ゲノムの塩基配列が決定されたので,そのメリットも大きい。C. elegansにおける生物時計の研究は一部でしか進んでいないが,これらの長所を生かして今後,大きく発展する可能性もある。本稿では,特に脱糞リズムの研究を中心に,生物時計や生体リズムの研究を概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?