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特集 時間生物学の新たな展開
藍色細菌の生物時計の分子機構―時計遺伝子クラスターkaiABCのサーカディアン発現の自己制御
著者: 石浦正寛1 近藤孝男1
所属機関: 1名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻分子遺伝学講座
ページ範囲:P.212 - P.220
文献購入ページに移動われわれは生物時計の効率のよい実験系を新たに藍色細菌で開発し,生物時計の中核機能を担う生物時計遺伝子クラスターkaiABCのクローニングに成功した。この総説では,まず藍色細菌の実験系を簡単に紹介し,次にkaiABCのクローニングとその遺伝子発現制御について述べたい。kaiABCの一連の解析により,kaiABCの遺伝子発現そのものがサーカイディアンリズムを示し(サーカイディアン遺伝子発現と呼ぶことにする),その発現はkaiABCの遺伝子産物であるKaiA,KaiB,KaiCタンパク質によって自己制御されていることが判明した。このkaiABCのサーカーディアン自己発現制御系が時計の中核そのものと考えられる。
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