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特集 時間生物学の新たな展開
概日リズムと松果体の光受容分子
著者: 深田吉孝1 真野弘明1
所属機関: 1東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻
ページ範囲:P.221 - P.227
文献購入ページに移動 生物の持つ概日時計は,外界の周期的な環境変化にリズムの位相を同調できるという特徴をもつ。概日時計の同調要因としては,周期的な温度変化や摂餌など様々なものが知られているが,その中でも多くの生物に共通で大きな同調要因と考えられるのは外界の明暗周期,すなわち光である。近年,動物の概日時計研究の分野は,ショウジョウバエで見つかった時計遺伝子ホモログの同定を中心に急速な展開を見せているが,光による概日時計の位相リセット機構に関しては依然として不明な部分が多い。われわれの研究室では,ニワトリやゼブラフィッシュの光感受性時計器官である松果体を研究材料として,時計発振系への光入力メカニズムを明らかにしようと試みている。本稿では,われわれが同定した松果体の二つの光受容蛋白質を中心に,この分野の研究の現状を紹介する。
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