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実験講座
単一細胞培養法および長期細胞潅流法によるひよこ松果体細胞のリズム測定
著者: 村上昇1 中原桂子1
所属機関: 1宮崎大学農学部家畜生理学講座
ページ範囲:P.245 - P.251
文献購入ページに移動 生体時計を細胞レベルで解析するためには,培養細胞中の時計から発せられるリズムを継続して計測できることが必要となる。これまで脊椎動物での生体時計局在細胞を用いて,リズムの測定に成功しているのは,ラットの視交叉上核神経細胞からのバゾプレッシン分泌リズム1)や神経活動リズム2),ハムスターの網膜でのメラトニン分泌リズム3),鳥類松果体細胞でのメラトニン分泌リズム4),その他,下等脊椎動物の網膜や松果体細胞でのメラトニン分泌リズムなどである。このような細胞のリズム測定系においては,リズムの測定が長期可能かどうか,細胞培養系が均一な細胞群であるかどうか,あるいはリズム測定のインターバル(サンプリングの間隔)が適当であるかどうか,などが重要な要素となる。なぜなら,薬物などの投与によって時計のリズムの位相がどのように変化するのかを調べる場合には,変位したリズムがその後も安定な位相角差を維持していることを確かめる必要がある。また,もし培養細胞群が不均一な場合には(たとえば視交叉上核などの神経細胞培養では,それぞれの細胞の機能が異なっている可能性や,種々のグリア細胞の混在が時計のリズムを修飾している可能性が生じ),測定されたリズムの解釈を複雑にすることが予想される。さらにリズムの周期の長さや位相変位の大きさを測定するには,可能な限り計測インターバルを短くすることが望まれる。
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