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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻4号

1999年08月発行

特集 トランスポーターの構造と機能協関

ATP駆動型トランスポーター

著者: 植田和光1 天知輝夫1

所属機関: 1京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻

ページ範囲:P.262 - P.267

文献概要

 生体の持つATP駆動型トランスポーターの代表は,Na-Kポンプ,Ca2+ポンプ,F0F1-Hポンプである。これらのポンプはATP加水分解のエネルギーを用いて膜内外でのNa,K,Ca2+などの濃度勾配を作り出し,生命に必須な役割を果たしている。最近になつて,これらのトランスポーターとは異なつたタイプのATP駆動型トランスポーターが生理的に重要な役割を果たしていることが明らかになつてきた。それらは,よく保存されたATP結合領域をもつことからATP binding cassette(ABC)タンパク質トランスポーターファミリーと呼ばれ,外部環境や環境中の有害物などから生体を守るために重要な機能を果たしている。ABCタンパク質の異常は病気と密接に関連しており,臨床的にきわめて重要なタンパク質ファミリーである。本稿では,Na-Kポンプ,Ca2+ポンプ,F0F1-Hポンプについて簡単に述べた後,ABCタンパク質トランスポーターファミリーについて紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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