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特集 トランスポーターの構造と機能協関
細胞骨格を介するABCトランスポーター
著者: 古川哲史1
所属機関: 1秋田大学医学部生理学第一講座
ページ範囲:P.280 - P.284
文献購入ページに移動 ABCトランスポーターはATP-binding cassette(ABC)トランスポーターの略称で,WalkerAモチーフとWalker Bモチーフで構成されるATP結合カセット(nucleotide binding cassette;NBC)を有することを特徴とする(図1)(詳細は本特集第2章を参照していただきたい)。ABCトランスポーターが最近注目を集めているのは,その異常とくに遺伝的欠陥が種々の疾患の直接原因となるためである。例えば白人に最も多い遺伝性疾患の嚢胞性線維症cystic fibrosisは,CFTR(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator)の遺伝的異常により起こり,ユダヤ人に多い新生児持続性高インスリン性低血糖症(persistent hyperinsulinemic hypoglycemia of infancy;PHHI)は,膵臓型SUR(sulfonylurea receptor)の遺伝的欠陥により起こる。
ABCトランスポーターは細胞内のさまざまなシグナルにより機能調節を受けている。例えば多くのABCトランスポーターがリン酸化・脱リン酸化により機能調節を受けたり,CFTRがCl-チャネルとSURが内向き整流性K+チャネル(Kir 6. x)と機能協関する。
ABCトランスポーターは細胞内のさまざまなシグナルにより機能調節を受けている。例えば多くのABCトランスポーターがリン酸化・脱リン酸化により機能調節を受けたり,CFTRがCl-チャネルとSURが内向き整流性K+チャネル(Kir 6. x)と機能協関する。
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