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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻4号

1999年08月発行

特集 トランスポーターの構造と機能協関

カルニチントランスポーターOCTN2―生理的役割とその機能的多様性

著者: 辻彰1 玉井郁巳1 根津淳一2

所属機関: 1金沢大学薬学部薬効動態学講座 2中外分子医学研究所

ページ範囲:P.285 - P.290

文献概要

 生体組織の細胞に備わる輸送担体(トランスポーター)は,生体にとって「必要なもの」を積極的に取り込み,「不要なもの」を細胞外へ排出する機能を担う,生体の生命機能維持にとって極めて重要な役割を演じている。
 本来,生体にとって異物である様々な医薬品が小腸上皮細胞,血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞,肺上皮細胞へ取り込まれる,あるいはこれらの細胞から排出される際にトランスポーターが関与する膜輸送機構が,単離あるいは培養細胞,膜小胞を用いた研究成果に基づいて提唱されてきた。医薬品の消化管吸収・分布・排泄に関わる体内動態の制御,さらには薬物の組織特異的ターゲッティングを可能とする創薬戦略および薬物治療の最適化を達成させるには,薬物トランスポーター群の薬物構造認識・輸送特性の解明が重要との認識から,近年に至りトランスポーター研究が活発に行われるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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