かつては闇につつまれていた病気の原因が,最近の医学・生物学の進歩に伴ってよりよく理解されるようになってきました。本誌では現時点における病因の理解,とくに分子的,細胞生物学的分野における進歩のうち,現在わが国で研究されている疾患を集めて「病気の分子細胞生物学」を特集しました。ただし,がんについてはそれのみで優に1冊の増刊号を必要とするため今回は見送っています。
編集者の頭を悩ませたのは疾患の分類です。従来の疾患名の中には併発症状に基づいて名付けられていて,新しい知見によればむしろ別の分類あるいは疾患名がふさわしいものがあることです。一例を挙げれば,アドレノロイコジストロフィーは名前からすれば副腎疾患に分類されますが,中心的病理は中枢および末梢神経の脱髄であり,症状からしても神経・脳疾患に分類するのが適当だと考えられます。さらに責任遺伝子に関する知見を加えると分類はまた変わってくるかもしれません。ほかの疾患についても同じような事情を考慮した上で妥当と思われる分類をいたしました。もちろん,基本的には伝統的分類に従っています。不完全な点については読者のご理解・ご容赦をいただきたいと存じます。
雑誌目次
生体の科学50巻5号
1999年10月発行
雑誌目次
特集 病気の分子細胞生物学
序にかえて フリーアクセス
著者: 編集委員
ページ範囲:P.342 - P.342
1.筋・神経・精神疾患
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
著者: 荒畑喜一
ページ範囲:P.344 - P.346
[疾患概略]
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchennemuscular dystrophy;DMD)は最も代表的な進行性筋ジストロフィー(progressive muscular dystrophy;PMD)である1)。PMDでは進行性の筋力低下と筋萎縮を見,骨格筋の変性・壊死・再生と結合組織増生を主病変とする遺伝性筋疾患である。原則として一次性の骨格筋病変が認められる。DMDは遺伝子座がXp21.2にある劣性遺伝の疾患である。したがって,原則として男児のみ発症し,疾患の遺伝は無症状の女性保因者を介する。DMDの発生率と有病率は,それぞれ人口10万人当たり13~39, 3~5とされており,地域的な偏りはない。新生男児3000~3500人に1人の割合で発生し,患者数はPMD全体の約6割を占める。
サルコグリカノパチー
著者: 小沢鍈二郎
ページ範囲:P.347 - P.348
[疾患概略]
Sarcoglycanopathy(SGP)は常染色体劣性遺伝をする。Duchenne筋ジストロフィー(DMD,本誌344頁参照)よりやや軽症であるが,類似の症状と経過をとる疾患である。発症は3~12歳。ころびやすい,階段に昇れないことなどから受診し,上下肢帯筋や腹筋などの萎縮を主体とする症状がある。血清creatine kinase(SCK)は非常な高値を示す。萎縮が進行して,やがて車イス生活となる。病気は常に進行性であり,病床生活を経て死に至る。死亡時期はかなり幅があり,20歳代から中年に至る。同一遺伝子異常である家族内で個々の患者の症状の進行にバラツキがある。疾病研究の歴史は19世紀に遡るが,明確な記載は1958年のKloepferとTallyの論文からである。その後この疾病はSCARMDと呼ばれ,分類も肢帯型筋ジストロフィーに属するとされたり,しないとされたりした。著者はSGPとDMDとは一緒にまとめるべきであると考えている。
筋強直性ジストロフィー
著者: 小林高義
ページ範囲:P.349 - P.350
[疾患概略]
筋強直性ジストロフィー(DM)は筋ジストロフィーの中で最も発症頻度が高く,遠位優位の筋萎縮,筋力低下,ミオトニアのほか,前頭部の禿げ,白内障,糖尿病,病気に関する無関心などの高次機能障害など多彩な合併症を有する多系統をおかす全身疾患である。
エメリー-ドレーフス型筋ジストロフィー
著者: 荒畑喜一
ページ範囲:P.351 - P.353
[疾患概略]
Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー(EDMD)は遺伝性の筋疾患であり,(1)若年発症の肘・Achilles腱・後頚部の拘縮,(2)緩徐に進行する肩甲―上腕―腓骨筋型の筋萎縮と筋力低下,(3)重篤な伝導障害を伴う心筋症を3主徴とする1)。骨格筋CTはEDMDの特徴的な筋障害分布を捉える上で有用である。典型例では前腕は肘で半屈曲位を取り,頭部前屈が著しく障害される。骨格筋の仮性肥大は認められない。ほかのタイプの筋ジストロフィーと比較すると進行は緩徐であるものの,突然死が高率(~50%)であるので,早期診断と,適切な時期の心臓ペースメーカー装着が肝要である。右房型拡張性心筋症の存在から,臨床的には徐脈が,心電図上ではPR間隔の延長~完全房室ブロック,TAPが現れ,失神や心不全症候を呈することがある。
ミオパチー
著者: 埜中征哉
ページ範囲:P.354 - P.356
分子生物学の進歩で筋疾患も次々と遺伝子座が決まり,またその一部はクローニングされている。本項では最近注目を集めている3疾患に絞って話を進める。
周期性四肢麻痺
著者: 金澤一郎
ページ範囲:P.357 - P.358
[疾患概略]
周期性四肢麻痺とは,血清カリウムの変動に関係して一過性の四肢麻痺発作を呈する疾患である。発作の間隔は一定ではなく,麻痺は四肢にとどまり,呼吸筋や脳神経領域の筋にまで及ぶことはまれである。非発作時には全く症状はないが,時には非発作時にも筋力低下が持続し,筋萎縮をきたすこともある。発作初期に血清カリウムが低下している場合と上昇している場合とに区別される。
低カリウム血性周期性四肢麻痺は,欧米では多くが常染色体優性遺伝する症例であるが,わが国では甲状腺機能亢進症に伴う症例が多く,遺伝性の症例は少ない。いずれの場合も夕食での過食の翌朝に発作を生じることが多い。激しいスポーツ,アルコール多飲などによっても誘発されることがある。発作の持続は数時間以内が多いが,時に2~3日のこともある。甲状腺機能亢進症に伴う場合は若年男子が多い。遺伝性の場合には10~20歳代の男女に初発するが,理由は不明だが男女比は2:1である。年齢が上がるに従って発作の頻度も程度も軽減する。発作時には経口的KCI投与が有効である。Acetazolamideの経口投与で発作頻度を少なくできる場合もある。発作中の麻痺筋の静止膜電位記録では,正常筋のそれに比して20~40mV程度浅いことから,脱分極ブロックによる麻痺であろうと考えられているが,低カリウム血症との関係はいまだ解明されていない。
こむら返り病
著者: 木下真男
ページ範囲:P.359 - P.360
[疾患概略]
こむら返りとは,本来,腓腹筋部に起きる筋けいれんを指すが,この疾患では全身の骨格筋に同じような症状が出現する。そのため,全身こむら返り病とも呼ばれ,患者の状態をよく表してはいるが,日本語としては正しくない。原著者の名から里吉病とも呼ばれ,これまでの症例をまとめた里吉の論文では,主要症状を並べて筋けいれん・脱毛・下痢症候群とされている1)。筋けいれん,いわゆる「筋がつる」という状態が四肢,躯幹の筋肉に断続して出現する疾患で,疼痛がかなり激しく,睡眠も障害されるほどになる。最初の報告は,1967年里吉らによって,中枢神経原性反復性筋けいれんとして発表された2)。このけいれんは有痛性で,不定の四肢,躯幹筋に出現し,数分間続いておさまるが,同じ筋に反復して現れる傾向があり,一旦こうなると30分から1週間ほど連続して反復を繰り返すと記述されている。ほかに前述の脱毛,下痢も主症状で,その他骨の変形,短躯がみられることもあり,当初は全身性の代謝性疾患で,予後不良という印象が強かったが,最近では自己免疫的な機序が考えられ,治療で症状が軽快するようになった。
ミトコンドリア脳筋症
著者: 竹島多賀夫 , 足立芳樹 , 中島健二
ページ範囲:P.361 - P.363
[疾患概略]
ミトコンドリア異常により脳・筋肉の障害をきたす疾患で,主要な臨床病型にMELAS(mitochondrial encephalopathy with lactic acidosis and stroke-like episode),MERRF(myoclonic epilepsy with ragged-red fibers),CPEO(chronic progressive external ophthalmoplegia)がある。血清・髄液中の乳酸値の上昇と生検筋凍結標本でragged-red fiber(RRF)と呼ばれる巨大化したミトコンドリアの蓄積が特徴である。1990年,MELAS,MERRFにおいて,ミトコンドリアtRNA遺伝子の点変異が相次いで報告され,その後も新たな変異が同定されている。
重症筋無力症
著者: 平井俊策
ページ範囲:P.364 - P.365
[疾患概略]
本症は神経筋接合部の後シナプス膜上にあるアセチルコリン受容体(AChR)を標的とする自己抗体の生成によって,骨格筋の易疲労性,筋力低下を基本症状とし,日内変動,寛解・増悪を繰り返す疾患である1-3)。特に眼瞼下垂,複視などの眼症状で初発しやすく,やがて全身の筋力低下,構語障害,嚥下障害さらには呼吸障害などを起こし,筋萎縮をきたすこともある。分類としてはOsserman分類がよく用いられる。有病率は人口10万人当たり約5人で,女性の方が2倍程度多く,女性では10歳以下と30-40歳代に,男性では10歳以下と40-50歳代に発症のピークが認められる。約80%の例に胸腺腫ないしリンパ濾胞増生などの何らかの胸腺異常を合併し,甲状腺の異常も20%前後の例に認められる。また患者の85%に抗AChR抗体が証明されるが,眼筋型では抗体が陰性のことも多い。神経筋難病の一つに指定されており,以前はクリーゼとよばれる呼吸筋麻痺による死亡が多く,文字通り「重症な」疾患であった。しかし呼吸管理の方法が進歩し,成因の解明が進み,抗コリンエステラーゼ薬のほかにステロイド薬その他の免疫抑制薬の使用,血液浄化療法,胸腺摘出術などの各種の治療法が発達したため,今日ではかなりの例が軽快や寛解を示し,コントロール可能な疾患となった。しかし,QOLの上では30%の患者が不満を訴えている。
家族性アミロイドポリニューロパチー
著者: 池田修一
ページ範囲:P.366 - P.368
[疾患概略]
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は常染色体優性の遺伝性全身性アミロイドーシスの一型であり,多発神経炎と自律神経障害を主徴とする。20歳代後半から40歳代前半に発病することが多く,10年前後の経過でアミロイド沈着による多臓器不全のため死亡する。本疾患は臨床的には末梢神経症状が下肢遠位部から出現し,上肢へと上行性に広がるⅠ型,手根管症候群で発症して後に多発神経炎が加わるⅡ型,Ⅰ型類似の多発神経炎に早期から重度の腎障害を合併するⅢ型,ならびに脳神経障害が前景をなすⅣ型に分類される。発生機序からするとⅠ型とⅡ型のアミロイド前駆タンパクは血清タンパクの一種であるtransthyretin(TTRと略す,旧名prealbumin)であり,Ⅲ型はapolipoprotein AI(Apo AIと略す),Ⅳ型はgelsolin(Gelと略す)である。また,患者ではこれらの前駆タンパクをコードする遺伝子に1塩基変異がある。通常FAPといった場合はⅠ型FAPを指し,本疾患を引き起こすTTR遺伝子の変異は60数種類が知られている。また同時にこれらの変異に対応してFAPの臨床像も多様性を示す。近年,変異TTR遺伝子の発現部位である肝臓を移植により正常肝にすることで根治を目指そうとして肝移植が導入され,良好な成果をあげている。
筋萎縮性側索硬化症
著者: 阿部康二
ページ範囲:P.369 - P.370
[疾患概略]
いわゆる運動ニューロン病は,神経系の運動ニューロンを比較的選択的かつ系統的に障害する疾患の総称であるが,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)は,そのなかでも筋萎縮が急速に進行し,平均余命3~5年と最も重症な疾患である。ALS発症者の90~95%は孤発性で遺伝歴がない。しかし残り5~10%は遺伝歴を持っている(familial ALS;FALS)。FALSの多くは常染色体優性遺伝性であるが,一部は常染色体劣性遺伝を示す。また,グアム島や紀伊半島などには特殊なタイプの運動ニューロン病が多いが,水質の問題や神経毒の摂取説などがあり,明らかな遺伝性かどうかまだ結論が出ていない。
多発性硬化症
著者: 三野原元澄 , 吉良潤一
ページ範囲:P.371 - P.372
[疾患概略]
多発性硬化症(multiple sclerosis;MS)は中枢神経系の炎症性脱髄疾患であり,時間的,空間的に多発するのが特徴である。欧米白人において,その有病率は10万人に対して40~100人ほどであるのに対して,日本人ではその約十分の一である。また,神経学的所見より,わが国では欧米白人に較べ,視神経脊髄型MSの頻度が非常に高いことが以前より知られている。中枢神経ミエリン抗原による感作でMSのモデルとされる実験的アレルギー性脳脊髄炎(experimental allergic encephalomyelitis;EAE)が作製されることやMS患者でミエリン蛋白反応性T細胞が存在すること,さらに治療として副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤,インターフェロンβなどが有効であることから,その病因として免疫学的機序が考えられている。
シャルコー-マリー-トゥース病
著者: 早坂清
ページ範囲:P.373 - P.374
[疾患概略]
シャルコー-マリー-トゥース(CMT)病は,緩徐進行性の遠位筋の筋力低下および萎縮を特徴とする遺伝性末梢神経疾患である。罹病率は2500~10000人に1人と高く,一般的に学童期以降に発症し,多くの症例では初期に下肢が侵されて歩行障害が起こり,進行し上肢にも及び,手の筋力低下を訴える。足筋の萎縮による槌状趾や凹足変形,深部腱反射の消失,手袋靴下型感覚障害なども特徴的な臨床症状である。しかし,症状には多様性があり,乳幼児期に発症する重篤なものから日常生活に支障なく罹病に気づかないものまで様々である。
本疾患は電気生理学的,病理学的に2型に分類され,1型では末梢神経伝導速度の遅延,末梢神経の肥厚,節性脱髄およびオニオンバルブの形成を認め,ミエリンの障害が主因と考えられている。2型では,神経伝導速度の遅延はないかあってもごく軽度であり,神経活動電位および神経幹刺激による誘発筋活動電位の低下を認め,末梢神経の肥厚は認めずオニオンバルブの形成もまれで,主因は軸索の障害にあると考えられている。
アドレノロイコジストロフィー
著者: 山田猛
ページ範囲:P.375 - P.376
[疾患概略]
アドレノロイコジストロフィー(adrenoleukodystrophy;ALD)には,伴性遺伝型(X-linked ALD)と新生児型があるが,本稿では前者について述べる。伴性劣性遺伝をし,発生頻度は出生男子2万~10万人に1人とされる。中枢神経と末梢神経の髄鞘が進行性に破壊される脱髄疾患であり,副腎皮質の萎縮を伴う1,2)。多様な臨床病型があり,小児期発症で重篤な経過をとる小児大脳型と,成人発症で痙性対麻痺を呈するadrenomyeloneuropathy(AMN)が多い。思春期あるいは成人発症の大脳型がまれにみられる。アジソン病のみを呈するもの,生化学的異常のみの無症候例も存在する。
小児大脳型は3~10歳頃に学業成績の低下,情緒不安定,異常行動などで発症し,痴呆,聴力障害,視力障害,運動失調,けいれんなどをきたす。1~10年で植物状態となり,発症から5~10年で死亡する。検査異常も含めると90%以上に副腎不全がみられる。AMNは思春期から成人期に下肢の痙性対麻痺による歩行障害で発症し,5~15年で杖歩行,車椅子生活となる。成人大脳型は精神分裂病様の精神症状で発症,急速に進行し,3~4年で死亡する。
ピリドキシン依存性てんかん
著者: 宮林重明
ページ範囲:P.377 - P.378
[疾患概略]
ピリドキシン依存性てんかんは,新生児期より(乳児期発症の非典型例もある)全身けいれんを頻発し,各種抗けいれん剤に反応せず,大量のピリドキシン投与によってのみけいれんを抑制することが可能な疾患である。ピリドキシン投与を中止するとやがて再びけいれんが起こり,放置すれば知能障害に陥り,ピリドキシン治療を早期に開始すれば正常の発達を期待しうる。遺伝形式は常染色体劣性遺伝が考えられている。
また,乳幼児期のけいれん(点頭てんかんの形で認めることが多い)には大量のピリドキシン投与に反応してけいれんが消失するピリドキシン反応性てんかんもあるが,長期的な投与は必要なく,予後良好で本症とは違う疾患群である。
先天性無痛無汗症
著者: 犬童康弘
ページ範囲:P.379 - P.380
[疾患概略]
先天性無痛無汗症(CIPA)は温覚と痛覚さらに発汗機能を欠如し,精神遅滞などの中枢神経障害を伴う常染色体劣性遺伝の疾患である。欧米では1963年のSwansonらの報告1)が最初とされるが,わが国ではこれより先に,西田らにより「全身無汗症」として報告されている2)。
痛みはヒトにとって大きな苦痛であり,その原因を明らかにし,これを取り除くことは,医療の重要な仕事のひとつである。しかし,痛みは本来,健康な生活を送るために必要不可欠な生理現象で,危害から体を守る警告信号となる。また,発汗は高温環境に置かれたヒトの体温調節に重要な働きをする。このため,発汗機能が障害されると熱放散が妨げられて発熱し,正常な生体機能を維持できなくなる。CIPAの患者では,環境温度に依存した発熱,自傷行為,精神遅滞などが見られる。骨折や脱臼を起こしやすく,痛覚がないため安静が保てず治癒が遷延し,しかもこれらを繰り返すために,関節や四肢の変形などの後遺症・機能障害を残しやすい。皮膚生検では,汗腺組織は存在し,その数や形態に異常は認められないが,汗腺を支配する交感神経節後線維が欠損している。末梢神経生検では,温・痛覚を伝達する無髄神経・小径有髄神経が特異的に欠損している。
パーキンソン病
著者: 松田博史
ページ範囲:P.381 - P.382
[疾患概略]
1817年,James Parkinsonによってshaking palsyとしてはじめて記載された疾患であり,主に初老期に発症し,緩徐に進行する錐体外路系の変性疾患である。本邦での有病率は人口10万人あたり50~80名であるが,高齢者の増加とともに増える傾向にある。本症は中脳黒質(緻密部)のドーパミン神経細胞の変性・脱落によって,それから上行性のニューロンを受ける線条体でのドーパミン低下をきたすために発病する。残存黒質神経細胞が若年者の20%に低下すると症状が発現すると報告されている。発症原因は不明であるが,MPTPという化学物質でパーキンソン病と類似の病態が出現することが判明し,外因性または内因性中毒物質が遺伝や加齢因子とともに注目されている。振戦,筋固縮,寡動・無動,姿勢反応障害のそれぞれ独立した四大症候を示す。安静時振戦は最も目立つ徴候ではあるが,全病期を通じてこれを欠く患者がある。姿勢反応障害は初期ではまずみられない。一方,筋の受動的伸展時の歯車様抵抗としてみられる筋固縮と無動は,発病後の時期を問わず必須徴候である。通常,左右一側の振戦,筋固縮,動作緩慢で始まり,小刻み歩行や前傾姿勢など両側性障害に移行する。ただし,両側になっても初発の側に強い。
ハンチントン病
著者: 金澤一郎
ページ範囲:P.383 - P.384
[疾患概略]
ハンチントン病は主に成人期に発病する舞踏病であり,進行性の舞踏運動を中心とする不随意運動と知的障害,性格障害,精神障害などを臨床的特徴とし,常染色体優性遺伝形式を示す神経変性疾患である。病理学的には,GABA/SPを神経伝達物質とし,黒質に終止する線条体小細胞のほぼ選択的な変性・脱落があり,それに対応して線条体の萎縮と側脳室の拡大を認め,これが舞踏運動発現の機構を形成している。さらに経過とともに前頭葉,側頭葉の萎縮も出現し,これが知的障害発現と関連しているとされている。これまでは,線条体の病理所見については神経細胞の脱落があるのみで,それ以外の本症を特徴づける特別な所見はないとされてきたが,最近の研究によって残存する線条体細胞や大脳皮質細胞の核内にユビキチン染色陽性の核内封入体が存在し,これが神経細胞死と関係しているであろうことが指摘されている(後述)。
本症の頻度には著しい人種差があり,欧米での100万人当たり50人に対して本邦では2~3人と少ない。古典遺伝学的知見から,ほかの優性遺伝性疾患に比して著しく浸透率が高く,突然変異率が低いという特徴が知られている。なお,常染色体優性遺伝だけでは説明できない現象として,20歳以下で発病する若年性ハンチントン病(5~10%)の場合に約90%で異常遺伝子を父親から受け継ぐという現象がある。
トリプレットリピート病
著者: 長尾芳朗 , 貫名信行
ページ範囲:P.385 - P.386
[疾患概略]
トリプレットリピート病とは,DNAの三塩基(トリプレット)の繰り返し(リピート)が異常に伸長することで発症する疾患群の総称である。
遺伝性小脳変性症:DRPLA
著者: 西澤正豊 , 佐藤周三 , 大泉太郎
ページ範囲:P.387 - P.388
[疾患概略]
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral-pallidoluysian atrophy;DRPLA)は常染色体優性遺伝性小脳変性症の一病型で,歯状核赤核系と淡蒼球ルイ体系の変性を特徴とする。1982年の内藤,小柳の報告により疾患単位として確立された1,2)。世界的には日本人に多いが,頻度は人口百万あたり約5人とまれな疾患である。
臨床症状は発症年齢によって異なり,20歳未満で発症する若年型は進行性ミオクローヌスてんかん症候群を呈し,40歳以降に発症する遅発成人型は小脳失調,choreoathetosis,痴呆を主症状とする。これらの中間は早期成人型とされ,症状は両者の移行型になる。世代を経るに従い発症年齢が若年化する表現促進現象が最も顕著に認められる。
X連鎖性劣性遺伝性水頭症
著者: 山崎麻美 , 金村米博 , 平賀章壽 , 有田憲生
ページ範囲:P.389 - P.390
[疾患概略]
伴性劣性遺伝性水頭症(XLH)は,1949年Bickers & Adamsによってはじめて記載された水頭症・精神発達遅滞・下肢の痙性麻痺・拇指の内転屈曲を臨床的特徴とする疾患である。延髄錐体路の低形成・脳梁欠損症・視床癒合・小脳虫部前葉の萎縮などの形態学的特徴も有し,Hirschsprung病の合併なども報告されている。
先天性難聴
著者: 宇佐美真一
ページ範囲:P.391 - P.392
[疾患概略]
疫学統計によれば,先天性難聴は新生児の約1000-2000人に1人の割合で認められるとされる。現在では,このうち感染など明らかな原因のあるもの以外は遺伝性のものと考えられている。遺伝性難聴にはいくつかの分類の仕方があり,従来からそれらの分類に従って論じられてきた。このうち遺伝形式による分類が一般的に用いられ,常染色体優性,常染色体劣性,伴性,ミトコンドリア遺伝によるものに分類されている。原因遺伝子が常染色体上に存在する場合,常染色体優性か常染色体劣性のいずれかの形式をとり,X染色体上にあれば伴性遺伝形式をとる。また,核以外の遺伝子として知られているミトコンドリア遺伝子に原因がある場合,母系遺伝の形式をとることが知られている。このほかの分類方法として,難聴のほかに症候を伴うか否かによって「症候群性難聴」と「非症候群性難聴」に分類されている。症候群性難聴に関しては,現在までに400種類をこえる疾患群が知られている。また,遺伝性難聴の大部分は難聴のみが症候である非症候群性難聴であり,このうち約75%は常染色体劣性遺伝形式をとる。
アルツハイマー病
著者: 高島明彦
ページ範囲:P.393 - P.395
[疾患概略]
65歳未満で発症し,特徴的な病理変化(老人斑,神経原線維変化,神経細胞脱落)を示す痴呆症を称していたが,65歳以上で発症する痴呆症にもアルツハイマー病と同様の病理変化を示すアルツハイマー型老年痴呆があり,これらを含めてアルツハイマー病と総称している。進行性の記憶認知障害を示す疾患であり,老人斑,神経原線維変化,神経細胞脱落が主な病理変化である。近年,人口の高齢化に伴いその有病率は増大している。
精神分裂病
著者: 有波忠雄
ページ範囲:P.396 - P.397
[疾患概略]
精神分裂病は主として思春期,青年期に発症し,種々の程度の残遺障害を残す一群の疾患である。思考,知覚,情動,動作,行動に関わる多彩な症候が様々な組み合わせで現れる。経過は通常慢性的であり,多くの分裂病患者は自分の能力を十分に発揮できず,複雑な仕事はできないか,あるいは仕事そのものができない。対人関係も種々の程度失われる。耐え難い症状のために,自殺に至る頻度も高い。罹病危険率はおおよそ0.8%,有病率は0.3%と頻度が高く,精神分裂病は莫大な人的,経済的な損失を人類に与えている。
精神分裂病の多彩な症状は,陽性症状と陰性症状に大きく分けられる。陽性症状は華々しい産出性の症状で,陰性症状は欠陥あるいは欠損性の症状をいう。陽性症状には幻覚や妄想,緊張病様の行動,思考の滅裂,奇妙な行動などがある。また,陰性症状は感情の平板化,思考の貧困,意欲の欠如,快感消失,注意力の低下などがある。
躁うつ病
著者: 吉川武男 , 西川徹
ページ範囲:P.398 - P.400
[疾患概略]
現代につながる精神疾患分類の基礎は,20世紀初頭にドイツのKraepelinによって築かれたが,彼によると躁うつ病は躁とうつがエピソード的に出現し,病相間欠期には完全に回復し,慢性進行性に経過する早発性痴呆(現在の精神分裂病)と比較し予後がよいものとした。うつ病相では,憂うつで悲しく,寂しい落ち込んだ気分である抑うつ気分,思考活動が緩慢で決断と実行が困難になったり億劫で疲れやすくなる精神運動抑制,頭重感や胸の圧迫感などの身体症状が出現する。躁状態では,持続的な高揚気分や易怒的な気分の変化があり,多動・多弁・注意散漫などがあり社会活動や人間関係に障害をきたす。
現在よく用いられるアメリカ精神医学会の診断と統計のマニュアルであるDSM-Ⅳでは,躁うつ病は気分障害の中の双極性障害に分類される。因みにうつ病相だけの単極性のものは,うつ病性障害に入る。
2.呼吸器疾患
気管支喘息
著者: 南須原康行 , 川上義和
ページ範囲:P.402 - P.403
[疾患概略]
気管支喘息は臨床的には発作性の呼吸困難,喘鳴,咳を主症状とし,少なくとも部分的には可逆性の気道閉塞を呈する疾患である。生理学的には気道過敏性,組織学的には好酸球性気道炎症が病態の中心である。また,その発症にアトピー素因の関与するものとそうでないものが存在する。
生後呼吸困難症候群
著者: 黒木由夫
ページ範囲:P.404 - P.405
[疾患概略]
生後呼吸困難症候群では,肺サーファクタントの量的および質的機能不全のために,出生直後から重篤な呼吸困難をきたす。肺の未熟性のために肺サーファクタントが一次的欠乏を生じる疾患が新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome;RDS)で,肺サーファクタント特異蛋白のSP-Bの遺伝子異常に起因する重篤な呼吸障害を呈するのが先天性SP-B欠損症である。未熟児に見られるRDSでは,人工サーファクタント補充療法が効を奏するが,満期産児に多い先天性SP-B欠損症に有効な治療法はなく,致死的である。
3.循環器疾患
高血圧症
著者: 並河徹 , 益田順一
ページ範囲:P.408 - P.409
[疾患概略]
高血圧症は文字どおり血圧が高くなることが疾患の本態である。しかし大きな問題は,連続的な分布をとる血圧値の,どの値を越えたときにそれを病的に高いとして治療の対象とするかにある。血圧が高いこと自体は(極端なものや急激に変化するものを除いて)不都合を起こさない。問題は,それによって二次的に全身の血管系に器質的異常をきたし,ひいては心,脳,腎などに致命的な障害を起こすことである。従って,このような二次的な障害のリスクが高くなる血圧値を「病的に高い」ものと考えるべきであろう。この観点から,最近,高血圧の診断をほかの危険因子との兼ね合いで総合的に行うようになってきている1)。
動脈硬化症
著者: 上田之彦
ページ範囲:P.410 - P.412
[疾患概略]
動脈硬化症,とくに血管内膜下にコレステロールが蓄積する粥状動脈硬化症は,虚血性心疾患や脳血管障害の原因となる。このような動脈硬化性疾患は,近年の日本でも欧米並みに増加してきている。多くの疫学的研究により,動脈硬化性疾患,とくに虚血性心疾患の危険率は血清LDL値と正の,一方HDL値とは負の相関があることが明らかにされている1)。すなわち,コレステロール代謝を中心とする脂質代謝の異常が,動脈硬化の発生に直接結びつくということは現在では広く認められ,多くの研究によりその全容が明らかにされてきている。
4.消化器疾患
胃潰瘍
著者: 平石秀幸 , 島田忠人 , 寺野彰
ページ範囲:P.414 - P.415
[疾患概略]
胃潰瘍(GU),十二指腸潰瘍(DU)を含む消化性潰瘍は消化管壁を構成する粘膜,粘膜筋板,粘膜下層,固有筋層,漿膜の5層構造のうち,粘膜筋板をこえる良性の組織欠損と定義される。消化性潰瘍の成因として,従来,粘膜組織に対する攻撃因子(酸・ペプシン)と防御因子の不均衡によるとするShay & Sunのバランス説が唱えられてきた。近年では,その病因を1)Helicobacter pylori(H. pylori)感染,2)非ステロイド系抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs),3)胃酸過分泌による消化活性の亢進(Zollinger-Ellison症候群),4)その他(クローン病など),に集約する考えが提唱されている。
特に,消化性潰瘍の患者におけるH. pylori感染率は極めて高く,H. pylori感染をnested-PCRを用いて検出感度を高めると,その陽性率は約95%前後となる1)。実際,前向きのコホート研究の結果では,H. pylori感染のGU. DU発症に対するオッズ比はそれぞれ3.2(95%信頼区間:1.6-6.5),4.0(95%信頼区間:1.1-14.2)と算出されている。H. pyloriは慢性活動性胃炎の主要な病因であることは確実で,その除菌は消化性潰瘍の再発を著明に抑制し,また最近ではMALTリンパ腫,胃癌の成因の一つとしても注目される。
C型肝炎
著者: 伊東進 , 清水一郎 , 本田浩仁
ページ範囲:P.416 - P.417
[疾患概略]
C型肝炎はC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)の感染により引き起こされる肝炎の総称である。一般的に,C型肝炎は初感染後高率に慢性化し,慢性肝炎から肝硬変へと徐々に進展する。さらに,疾患が進展するほど肝癌の発生率が高くなり,肝癌の発生母地としても非常に重要である。
HCVが発見される以前は,C型肝炎は非A非B型肝炎と呼ばれており,その診断は除外診断によりなされていた。そして,非A非B型肝炎の原因としてウイルスの存在が推測されていたが,単一のウイルスかどうかも不明であり,多くの研究者がその原因解明に取り組んでいた。HCVが発見されるに至り,非A非B型肝炎の原因の大部分がHCVであることが判明し,C型肝炎としての疾患名が定着した。
5.腎疾患
ギテルマン症候群
著者: 阿部康二
ページ範囲:P.420 - P.422
[疾患概略]
腎の糸球体で濾過されたNa+,K+,Cl-,HCO3-,リン酸などの70~80%は近位尿細管で再吸収される。ブドウ糖やアミノ酸,尿酸,B2ミクログロブリンなどは95~99%再吸収される。濾過液はヘンレ係蹄を通過するうちにNaClの再吸収を受けて,遠位尿細管に至る。遠位尿細管ではNaClの再吸収がさらに進みつつ,アルドステロンやADHの影響を受けながら最終的な尿浸透圧や血清電解質調節が行われる。表1にこのような尿細管機能の異常に基づく疾患を整理してある。Gitelman症候群は遠位尿細管の機能異常によって発病し,Barter症候群に近似した病態として分類される。
Gitelman症候群は小児後期から成人にかけて発症し,遠位尿細管でのKやMg再吸収障害により低K血症となり,繰り返す脱力発作や発熱時のテタニーを主症状とする代謝性疾患である。脱力発作時には腹痛や嘔吐を伴うこともある。発育や脳CTスキャンは正常である。脱力発作などの症状が全くみられないことも多い。Barter症候群と同様に血清KとMg低下をきたすが,尿Ca排泄低下で鑑別される。
X染色体性アルポート症候群
著者: 吉岡加寿夫
ページ範囲:P.423 - P.424
[疾患概略]
アルポート症候群は遺伝性の進行性腎炎に神経性(感音性)難聴などを伴う疾患である。思春期,成人若年期での末期腎不全の原因疾患として重要なものである。本症候群の遺伝型式としてはX染色体連鎖優性型のものが全体の約80~85%と最も頻度が高く,男性5,000人に1人の頻度である。その他に常染色体劣性型のものや孤発例の存在も知られている1)。
臨床的には,血尿,あるいは血尿と蛋白尿が男児で10歳までに気付かれる。蛋白尿は徐々に増加し,進行するとネフローゼ症候群を呈することがある。家系内の男性が腎不全に陥った年齢をみると,青年期(小児期から20歳前後)の家系と30歳以後の家系があることが知られている。腎外症状としては感音性難聴があり,腎症状に遅れて気付かれる。また,白内障,円錐角膜,球状水晶体,網膜色素変性などの眼症状がみられる1)。
6.生殖器疾患
性分化異常
著者: 柳瀬敏彦 , 名和田新
ページ範囲:P.426 - P.428
[疾患背景]
生殖腺の発生過程は,1)未分化生殖腺期,2)性決定期,3)内外生殖器形成期の三段階に大別される(図1)。ヒト胎児ではY染色体短腕の精巣決定因子(SRY)により,まず未分化性腺原基が精巣に誘導される。胎児は内,外性器原基を有し,ウオルフ管は精巣上体,精管,精嚢に,ミュラー管は卵管,膣上部へと分化する。男性では,胎児精嚢より分泌されるテストステロン(T)が,直接ウオルフ管に作用して分化を促す。その一方で,胎児精巣セルトリ細胞からは,ミュラー管抑制因子(MIS)が分泌され,ミュラー管は退縮していく。外性器の分化は,Tから5α-還元酵素により転換したジヒドロテストステロン(DHT)が,男性では泌尿生殖洞を前立腺,尿道へ,生殖隆起を陰茎,陰嚢へと誘導する。本稿では上記1),2),3)の各過程に関与する性分化関連因子とその異常により引き起こされる病態を解説する1-3)。
7.血液・造血器疾患
血栓症
著者: 一瀬白帝
ページ範囲:P.430 - P.432
[疾患概略]
血栓症はその三大要素である血流・血管・血液の異常のために止血反応の調節機構が破綻することにより惹起される1)。動脈硬化や炎症などで傷害された血管壁で血栓が形成され始め,血管内腔全体に及ぶと側副循環のない終動脈では血流が途絶するので,末梢組織が虚血に陥る。冠動脈や脳動脈の血栓は,それぞれ心筋梗塞,脳梗塞を引き起こす。静脈血栓は血液還流を阻害するので,末梢部の腫脹・疼痛が起きる。矢状静脈洞など頭蓋内の血栓では内圧亢進により死に至る危険もある。
特に血液成分の異常については,ほとんどの既知の因子の遺伝子が同定され,血栓症を惹き起こす分子機構が明らかにされつつある。
非ホジキンリンパ腫
著者: 三浦偉久男
ページ範囲:P.433 - P.434
濾胞性リンパ腫
[疾患概略と分子レベルでの解明]
胚中心構成細胞由来と考えられ,腫瘍細胞はCD5-CD10+CD20+で,特異的染色体異常として欧米では80~90%にt(14;18)(q32;q21)1,2)を認めるが,本邦では30~80%と頻度が低い3)。低悪性度群に属するが治癒は困難である。
t(14;18)によりBCL-2遺伝子(18q21)の脱制御をきたし,胚中心におけるBリンパ球のアポトーシスが抑制されることが,悪性リンパ腫の原因と考えられている4)。
8.代謝・栄養障害
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症
著者: 松田一郎
ページ範囲:P.436 - P.438
[疾患概略]
オルニチントランスカルバミラーゼ(ornithine transcarbamylase;OTC)は肝に局在し,カルバミルリン酸とオルニチンからシトルリンへの合成に関与する酵素で,最初,分子量40,000の先駆蛋白質として合成され,ミトコンドリア内に転送される。そこで分子量約36,000の成熟酵素になり,さらに三量体を形成してはじめて活性をもつ。OTC遺伝子はXp21.1に位置し,73kbで,10のエクソンをもつ1)。OTC欠損症はX連鎖性半優性遺伝(X-linked semi dominant)の遺伝形式をとり,尿素合成異常症の中では最も頻度が高く,1/80,000と推定される。男性患者(hemizygote)の1/3は生後30日以内に発症する新生児型,2/3はそれ以後に発症する遅発型である。新生児型の臨床症状は重症では昏睡,痙攣などの中枢神経症状が前面に出るが,遅発型は一般に軽症で,繰り返す嘔吐,軽い精神錯乱などで,特に有熱時にみられる2)。重症ではほとんどが死亡し,助かっても重い後遺症を残す可能性が高い。女性(heterozygote)のほとんどは遅発型であるが,全く症状の見られないものから,発症して死に至るものまで様々である。臨床検査では高アンモニア血症,軽度の肝機能障害が見られる。血清アミノ酸分析ではグルタミン,グルタミン酸の上昇,シトルリンの低値が,尿の分析ではオロット酸の排泄増加が認められる。
長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症
著者: 青山俊文
ページ範囲:P.439 - P.440
[疾患概略]
ミトコンドリアに局在する脂肪酸β酸化系の初発反応は,アシルCoAデヒドロゲナーゼ群により触媒される。炭素数4から18に至る広範な基質に対処するため,基質特異性の異なる4種のデヒドロゲナーゼが存在する1)。短鎖(SCAD),中鎖(MCAD),長鎖(LCAD),極長鎖(VLCAD)の4種のうち,MCAD欠損症は低ケトン性低血糖症による脳障害を生じる,出現頻度の高い先天性異常症として知られている。
長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症はLCAD欠損に由来するものとみなされてきたが,実際はVLCAD欠損に由来することが1995年に報告された2)。VLCAD欠損症はMCAD欠損症と同様に低ケトン性低血糖症を呈するが,長鎖脂肪酸代謝不全に由来する長鎖脂肪酸の蓄積により,肥大性心筋症・肝肥大・肝機能障害・骨格筋機能障害などを高頻度にともなうことを特徴とする。発症年齢は乳幼児期に偏っており,致死率は70%程度である。低脂肪食・カルニチン投与などの治療法が試みられているが,有効な治療手段は現在のところ存在しない。MCAD欠損症患者は白人のみであるが,VLCAD欠損症患者は少数ながら日本人にも見出されている2)。患者により細胞内のVLCAD蛋白残存量は異なり,残存量が多いほど臨床症状がマイルドである傾向がある2)。
ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症
著者: 鈴木洋一 , 成澤邦明
ページ範囲:P.441 - P.442
[疾患概略]
ホロカルボキシラーゼ合成酵素(HCS)は,水溶性ビタミンの一種であるビオチンを種々のカルボキシラーゼに取り込ませる反応を触媒する酵素である。哺乳類ではビオチンを補酵素とする4種類のカルボキシラーゼの存在が確認されている。すなわち,ロイシンの異化経路のメチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ,脂肪酸合成の律速酵素であるアセチルCoAカルボキシラーゼ,糖新生系の律速酵素の一つであるピルビン酸カルボキシラーゼ,バリンやイソロイシンなどのアミノ酸の異化経路に存在するプロピオニルCoAカルボキシラーゼの各酵素である。HCSはビオチンの生体内での利用の鍵酵素であり,多様な代謝経路に関与する酵素であるということができる。
HCS欠損症は本酵素遺伝子の異常により,酵素の活性低下またはビオチンに対する親和性の低下を一次的な原因とし,複数のカルボキシラーゼの活性低下を反映した多彩な生化学的異常,臨床症状を示す常染色体劣性の先天性代謝異常症である。プロピオニルCoAカルボキシラーゼの活性低下によっては,プロピオン酸が血中に蓄積し,3-ヒドロキシプオピオン酸,メチルシトレート,チグリルグリシンが尿中に排泄される。ピルビン酸カルボキシラーゼの活性低下は高乳酸血症,高アラニン血症などを惹起する。
マッカードル病
著者: 河野典夫 , 山崎知行
ページ範囲:P.443 - P.444
[疾患概略]
マッカードル(McArdle)病はホスホリラーゼの筋型アイソザイムの欠損症である。骨格筋のグリコーゲン分解が障害される結果,運動時の筋症状(易疲労,筋痙攣)を主症状とする。高クレアチンキナーゼ血症,筋原性高尿酸血症を合併するが,予後は一般に良好である。血糖を上昇させると筋運動能を改善させることができる。グリコーゲン病(糖原病) V型に分類される。
クリグラー-ナジャー症候群
著者: 生城真一
ページ範囲:P.445 - P.446
[疾患概略]
Crigler-Najjar症候群は血清中のグルクロン酸非抱合型(間接)ビリルビンの増加による体質性黄疸を主症状とし,次の二つの型に分類される。
Crigler-Najjar症候群Ⅰ型:血清ビリルビン値が20mg/dl以上を示し,すべて非抱合型である。生後2~3日から高度の黄疸を示し,放置すれば核黄疸をきたし2~3歳までに死亡する。
高グリシン血症
著者: 呉繁夫
ページ範囲:P.447 - P.448
[疾患概略]
高グリシン血症は種々の有機酸代謝異常症の際にも認められるが,グリシンの一次的代謝障害も存在し,非ケトーシス型高グリシン血症(nonketotic hyperglycinemia;NKH)と呼ばれる1)。NKHの最大の特徴は体液中のグリシンの蓄積であり,髄液中グリシン濃度は正常の100倍にも及ぶ。中枢神経系に高濃度で存在するグリシンは様々な神経障害を引き起こすと考えられ,患児は生後数日以内に痙攣,筋緊張低下,意識障害,無呼吸発作などの重篤な症状を呈し,脳炎とよく似た症状を呈するためグリシン脳症(glycine encephalopathy)と呼ばれることもある。予後は極めて不良で数週間以内に死亡するか,生存し得ても重度の障害を残す。多くの患児は以上のような典型的な経過を示す新生児型であるが,本症には新生児期には無症状で経過し,その後次第に精神運動発達の遅れが目立ってくる遅発型も存在する。この中には成人例で痙攣や意識障害などがなく,精神発育遅延や行動異常のみを有する症例も含まれており,表現型の異質性は強い。過去10年間に診断された患児数に基づくと,わが国におけるNKHの発症頻度は約70万出生に1例と推定される。世界的に見ると,米国では25万出生に1名,カナダでは7万出生に1名程度であるが,フィンランド北部では6千出生に1名と際立ってその頻度が高い2)。
新生児高ビリルビン血症
著者: 赤羽和博 , 早坂清
ページ範囲:P.449 - P.450
[疾患概略]
新生児高ビリルビン血症とは,新生児期に非抱合ビリルビンが蓄積する病態を表す。新生児期には,髄外造血の停止や胎児ヘモグロビンを有する赤血球寿命が短いことによるビリルビン産生の増加,胎盤を介した母体での処理の途絶および肝のビリルビン輸送蛋白(Y-蛋白)やビリルビンUDPグルクロン酸トランスフェラーゼ(B-UGT)の低値などによるビリルビン代謝の低下,腸肝循環の亢進によるビリルビン排泄の低下などにより生理的にも非抱合ビリルビンの蓄積をきたしやすい。生理的範囲内の高非抱合ビリルビン血症を新生児生理的黄疸と表現し,この範囲をこえ治療の対象となりうる高非抱合ビリルビン血症を一般的に新生児高ビリルビン血症と表現する。生理的条件にさらに先天的,後天的な要因によるビリルビンの過剰産生や代謝・排泄障害が加わり,新生児高ビリルビン血症が惹起されるものと思われる。過剰産生を生ずる要因としては,母児間のRh,ABO血液型不適合による溶血,遺伝性溶血疾患,血腫などがあり,代謝・排泄の障害をもたらす要因としては,種々の感染症による肝障害や体質性黄疸などが知られている。
新生児期には血液脳関門が完成されておらず,ビリルビンによる中枢神経系の障害(核黄疸)が問題となり,光線療法や交換輸血などの治療が行われる。
先天性高蓚酸血症
著者: 市山新
ページ範囲:P.451 - P.452
[疾患概略]
先天性高蓚酸血症として,肝臓ペルオキシソームのserine:pyruvate/alanine:glyoxylate aminotransferase(SPT/AGT)の異常により起こる原発性高蓚酸尿症1型(primary hyperoxaluria type 1;PH1)と,サイトソルのD-glycerate dehydrogenase/glyoxylate reductase(DGDH/GR)の欠損が原因の同2型(PH2)が知られている。いずれも蓚酸過剰生産を主徴とする常染色体劣性遺伝疾患である。PH1では蓚酸と共に多量のグリコール酸が尿に排泄されることが多く,PH2では蓚酸とL-グリセリン酸が排泄される1)。PH2の場合,通常はDGDH/GRの基質になり,D-グリセリン酸を経て代謝されるヒドロキシピルビン酸(SPT/AGTの作用によりセリンから生じる代謝中間体)が,DGDH/GRの欠損のため乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の作用を受けてL-グリセリン酸に還元される。PHはまれな疾患であるが,なかでもPH2の頻度はPH1よりはるかに低く,知見の蓄積が少ないので,以下にPH1について述べる。
蓚酸はそのカルシウム塩が中性条件で水に難溶のため結石の原因になる。PH1の場合,蓚酸の過剰生産のため典型的には幼少時より尿路結石を反復し,腎石灰化症をともない腎不全となる。
先天性高乳酸血症
著者: 内藤悦雄
ページ範囲:P.453 - P.454
[疾患背景]
先天性高乳酸血症は血液中および髄液中の乳酸とピルビン酸が増加する疾患群であり,エネルギー産生に重要なピルビン酸代謝経路の障害により生じる。病因はさまざまであるが,現在,分子レベルでの解明が進んでいるピルビン酸脱水素酵素複合体(PDHC)欠損症とピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)欠損症について概説する。
ウィルソン病
著者: 寺田邦彦 , 杉山俊博
ページ範囲:P.455 - P.456
[疾患概略]
銅は生体にとって必須の微量金属であるが,細胞内に過剰に存在すると,細胞膜・蛋白・核酸などに傷害を与え毒性を発揮する。この銅の毒性によって引き起こされる疾患としてウィルソン病がよく知られている。ウィルソン病では,出生直後より肝臓に銅が蓄積し,毒性レベルに達すると肝炎が発症してくる。さらに,傷害肝から放出された銅が,脳・腎臓・網膜などに沈着し障害をもたらす。肝臓への銅の異常蓄積は,肝外への銅排出の低下,すなわちセルロプラスミンを介した血中への銅分泌および胆汁への銅排泄が低下しているために起こる。
この疾患は常染色体劣性形式で遺伝し,発症率は1/30,000とされている。D-ペニシラミンなどのキレート剤を早期から投与すれば予後は良好であるが,適切に治療されなければ若年期に肝不全のため死亡する。
反応性全身性アミロイドーシス
著者: 馬場聡
ページ範囲:P.457 - P.458
[疾患概略]
反応性全身性アミロイドーシスは慢性炎症性疾患に合併してくるアミロイドーシスで,続発性アミロイドーシスとも呼ばれる。最近では,原因蛋白であるamyloid A(AA)の名からAAアミロイドーシスと呼ばれることも多い。基礎となる疾患は,以前は結核を代表とする感染症が多かったが,近年では慢性関節リウマチ(RA)が大部分である1)。RAにおける本症の合併頻度は消化管生検スクリーニングでの成績では7~10%程度,またRAの剖検例では21~25%に本症がみられる。本症では全身諸臓器に小血管壁を主体にアミロイドが沈着するが,臨床的には消化管と腎に難治性・進行性の機能障害をみることが多く,後者の場合には特に予後不良となる。本症でアミロイドとして沈着するAA蛋白の前駆体がserum amyloidA(SAA)である。AAはSAAのN末端から76個とする報告が多いが,必ずしも一定していない。SAAは急性期蛋白で,血中濃度は炎症時に数百倍以上に増加する。RAなど慢性炎症性疾患では血中SAAの持続的高値状態となり,これが本症発症の必要条件である。しかしそれだけでは必ずしも発症せず,ほかの要因も必要と考えられていた。
低リン血性ビタミンD抵抗性くる病
著者: 武田英二
ページ範囲:P.459 - P.460
[疾患概略]
低リン血性ビタミンD抵抗性くる病には,90%以上を占める伴性家族性低リン血性くる病(X-linked hypophosphatemic rickets;XLH)と常染色体劣性遺伝を示す高カルシウム尿を伴う遺伝性低リン血性くる病(hereditary hypophosphatemic rickets with hypercalciuria;HHRH)とがあり,いずれも腎尿細管でのリン再吸収機構が障害されてリン利尿をおこすために低リン血症を呈し,そのために1歳頃までにくる病や骨軟化症などの骨障害を生じる。
ペルオキシソーム形成不全症
著者: 藤木幸夫
ページ範囲:P.461 - P.463
[疾患概略]
細胞内小器官ペルオキシソーム(peroxisome)は,極長鎖脂肪酸のβ-酸化やプラスマローゲン型リン脂質の生合成など多くの代謝系に関わる。ペルオキシソームの形成機構については,細胞質(サイトゾル)遊離型ポリソームで合成された構成タンパク質が翻訳後ペルオキシソームに移送され,その結果ペルオキシソームが成長,分裂して増殖していくと考えられている。ペルオキシソーム構成タンパク質の輸送シグナルとしてPTS1(C末端3アミノ酸配列,SKLモチーフ),PTS2[N末端延長ペプチドコンセンサス配列(-R/K-L/V/I-X5-H/Q-L/A-,Xは任意のアミノ酸)]が同定されている。
ペルオキシソーム病にはペルオキシソーム酵素単独欠損症のほか,いわゆるペルオキシソームの生合成異常症がある。ペルオキシソームの欠損と複数の代謝障害を伴う疾患として,Zellweger症候群(cerebrohepatorenal syndrome,脳肝腎症候群),新生児型副腎白質ジストロフィー(neonatal adrenoleukodystrophy;NALD)および乳児型Refsum病(infantile Refsum disease;IRD)がある。Zellweger症候群患児では新生児期より筋緊張低下,肝腫大,精神運動発達遅延など多発奇形を有し,乳児期早期(数週間~1年以内)にほとんど死亡する重篤な常染色体劣性遺伝疾患である。
リドル症候群
著者: 田村博之 , 丸茂文昭
ページ範囲:P.464 - P.465
[疾患概略]
リドル症候群は1963年にLiddleらによって,偽性アルドステロン症として報告された症候群である1)。
その特徴は,(1)家族性(常染色体優性遺伝)の高血圧症で,高度の高血圧が若年(10歳代)より発症し,腎硬化症・腎不全になる例もある。(2)検査所見はレニン・アルドステロン低値,Kの排泄増加による低K血症,Hの排泄増加によるアルカローシスを呈する。(3)下垂体―副腎皮質系は正常である。(4)アルドステロン合成阻害薬やアルドステロン拮抗薬には全く反応しない。(5)尿細管でのNaの輸送を阻害するトリアムテレンで正常化する,というものであった。これらの結果から,リドル症候群の病因は遠位尿細管のNaチャネルの異常であると考えられた。
9.内分泌疾患
仮性鉱質コルチコイド過剰症
著者: 北中幸子
ページ範囲:P.468 - P.470
[疾患概略]
仮性鉱質コルチコイド過剰症(apparent mineralocorticoid excess;AME)は,幼小児期より低カリウム血症,高血圧など鉱質コルチコイド過剰症状を呈し,血中レニン活性・アルドステロン・DOCなどすべての鉱質コルチコイドは低値を示すというまれな先天性疾患である。低カリウム血症による腎障害により多飲多尿をきたしたり,体重増加不良を呈する。高血圧による脳出血などでの死亡例も報告されている。同胞発症例があり,常染色体劣性遺伝をとる。
本症では,血中コルチゾールは正常であるが,コルチゾールやACTH投与により症状が悪化し,スピロノラクトンの投与により軽快する。また血中コルチゾール半減期が延長しており,尿中ステロイド解析でコルチゾール/コルチゾン代謝産物比(THF+aTHF/THE)が著明な高値をとる。これらの所見により本症は,コルチゾールからコルチゾンへの代謝を司る11β脱水素酵素の欠損であると推測されるようになった。
偽性副甲状腺機能低下症
著者: 武田京子
ページ範囲:P.471 - P.472
[疾患概略]
偽性副甲状腺機能低下症(pseudohypoparathyroidism;PHP)は副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)に対する標的組織の抵抗性を表す疾患で,血中PTH濃度高値にもかかわらず,血清カルシウム濃度の低値,リン(P)濃度の高値を表す。本症はヒトPTH投与による尿中cyclic AMP(cAMP)およびPの排泄量を指標とするEllthworth Howard試験によって,Ⅰ型(cAMP,Pともに無反応),Ⅱ型(cAMPは反応,Pは無反応)に分類される。さらに,Ia型では低身長,円形顔貌,中手/足骨短縮(brachydactyly),皮下骨腫などのAlbright hereditary osteodystrophy(AHO)徴候がみられ,PTHのみならずほかのG蛋白共役型受容体に結合するホルモン(TSH,Gonadotropin)にも抵抗性を示し,膜蛋白のGs活性低下が認められる。Ib型はAHOを欠き,PTHにのみ抵抗性を示し,Gs。活性は正常である。Ic型では,AHOと多ホルモン抵抗性を示しながら,Gs活性は正常である。Ia型の家系の中には,AHOとGs活性低下を示しながら,血清PTH,Ca,Pが正常の例があり,偽性偽性副甲状腺機能低下症(pseudopseudohypoparathyroidism;PPHP)と呼ばれている。
10.膠原病
全身性エリテマトーデス
著者: 熊倉俊一 , 山内康平
ページ範囲:P.474 - P.476
[疾患概念]
全身性エリテマトーデス(SLE)は代表的な全身性自己免疫疾患であり,抗DNA抗体をはじめとする多彩な自己抗体の出現を特徴とする。臓器非特異的自己免疫疾患であり,多臓器に障害をきたす。SLEの発症には遺伝的素因,環境因子,性ホルモンなどの多因子が関与するといわれているが,いまだその原因は明らかでない。しかしながら,近年の分子生物学的手法の進歩に伴い,SLEの病因・病態の解明に迫る新しい知見が数多く報告されている。本稿では,SLEの病因・病態に関する最新の知見について概説する。
慢性関節リウマチ
著者: 田中良哉
ページ範囲:P.477 - P.478
[疾患概略]
慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)は関節滑膜を病変の主座とし,全身の支持組織を多発性に侵す原因不明の慢性非化膿性炎症性疾患である。本邦では,約70万人がRAに罹患しているとされ,最も頻度の高い全身性自己免疫疾患,膠原病である。RAの基本的病態は滑膜炎症の展開であり,滑膜組織内のT細胞の集積,血管新生,滑膜細胞の増殖に代表され,滑膜細胞の異常な増殖と滑膜細胞や集積した炎症性細胞が産生する種々のサイトカインや蛋白分解酵素は,炎症性肉芽の肥大,ひいては軟骨や骨基質の変性・吸収による関節破壊と日常生活動作の制限を引き起こす。また,種々の炎症性サイトカインや細胞接着分子は滑膜炎症病態の形成において重要な役割を担い,例えば,細胞接着やサイトカインを介する刺激によって産生されたサイトカインは,ほかのサイトカインの産生や接着分子の発現や接着性を誘導し,T細胞の滑膜組織内への遊出やリンパ球と滑膜細胞との細胞接着をもたらす1)。
RAの原因はほかの自己免疫疾患と同様,自己に対する免疫学的寛容状態の破綻に基づく自己反応性T細胞の存在と,それによって活性化されたB細胞から産生される自己抗体によるものとされる。
11.皮膚疾患
IgA天疱瘡
著者: 橋本隆
ページ範囲:P.480 - P.481
[疾患概略]
自己免疫性水疱症は抗皮膚自己抗体により,表皮細胞間ないし表皮基底膜部接着の障害を生ずる疾患である。表皮細胞間接着にはデスモソームが,表皮基底膜部接着にはヘミデスモソームが最も重要である。事実,すべての自己免疫性水疱症の抗原物質はこれらの部位に局在している。デスモソームにおける細胞間接着に直接関与している細胞膜蛋白にはデスモグレイン(Dsg)群とデスモコリン(Dsc)群があり,デスモソームカドヘリンとよばれる。いずれの群にも3種の蛋白が存在し,Dsg 1-3,Dsc 1-3とよばれる(図1)。IgG抗表皮細胞膜自己抗体を示す疾患の代表は古典的天疱瘡で,落葉状天疱瘡と尋常性天疱瘡とに大別される。前者の抗原はDsg 1であり,後者の抗原はDsg 3である1)。
最近になり,IgA抗表皮細胞膜自己抗体を示すIgA天疱瘡も知られるようになった2,3)。IgA天疱瘡にも2種の亜型が存在し,一つは角層下膿疱症(subcorneal pustular dermatosis;PD)様の皮疹を示し,組織学的に角層下膿疱を呈するSPD型であり,この患者血清は表皮上層にのみ反応する(図2a)。もう一つは異型な膿疱性皮疹を示し,組織学的に表皮全層の膿疱を示すintraepidermal neutrophilic IgA dermatosis(IEN)型であり,この患者血清は表皮全層に反応する(図2b)。
キンドラー症候群
著者: 清水宏
ページ範囲:P.482 - P.484
[疾患概略]
キンドラー症候群(Kindler syndrome)は四肢末梢部の水疱形成にひきつづき,手指足趾の癒着,進行性の全身性の多形皮膚萎縮などを認めるまれな遺伝性皮膚疾患である1,2)。遺伝形式としては常染色体優性,劣性の両者が報告されている。本症候群の第1例は水疱,手指の癒着,日光過敏,多形皮膚萎縮を有する14歳女性患者で,1954年,Kindlerにより報告された1)。当初Kindlerは本疾患が栄養障害型表皮水疱症と多形皮膚萎縮の偶然の合併ではないかと考えていた。しかし,その後本症の追加報告が世界から相次ぎ,キンドラー症候群は栄養障害型表皮水疱症の亜型ではなく,独立した疾患概念であるという意見も提唱され,最近まで見解の一致がみられていなかった2)。
ロリクリン角皮症
著者: 山本明美 , 飯塚一
ページ範囲:P.485 - P.486
[疾患概略]
近年,遺伝性角化異常症の病因が次々と分子レベルで明らかにされてきている。ロリクリン角皮症は,従来の臨床症状にもとづく遺伝性角化異常症の分類において,指端断節型角化症(Vohwinkel症候群)と進行性紅斑角皮症という別個の疾患概念に分類されていたもののなかに発見された,ロリクリンという表皮の構造蛋白の変異によって生じる一群の疾患に対して,われわれが提唱した病名である1,2)。
指端断節型角化症はきわめてまれな掌蹠角化症の一型で,ほとんどの家系は常染色体優性遺伝性を示す。生後まもなくから現れる掌蹠の蜂の巣状の外観を呈するびまん性の角質肥厚,手指と足趾の絞扼輪の形成が特徴的である。手背足背や膝蓋肘頭の線状ないしヒトデ状に配列する角化性丘疹や全身性の軽度の魚鱗癬,聴力障害,脱毛などを伴う家系もある。ロリクリンの変異による家系は聴力障害を伴わず,全身性の魚鱗癬を伴うことがある点で共通している。
12.眼疾患
小口病
著者: 村上晶
ページ範囲:P.488 - P.489
[疾患概略]
小口病は「はげかかった金箔様」と表現される特有の色調を呈する眼底が認められ,長く暗順応下におくとその色調が正常化する現象を伴う先天性夜盲である。この疾患は1907年に小口忠太により報告されて以来,日本では1994年までに文献上245症例の報告があるが,ほかの民族での報告は少ない1)。常染色体劣性遺伝を示し,しばしば家系内に近親婚が見られる。症状は夜盲であるが,しばしば自覚症状に乏しく,偶然にほかの疾患の治療や健康診断の際に眼科医が発見することも多い。
典型例では視力は良好で,視野は正常である。眼底が「はげかかった金箔様」と表現される,黒ずんだ金色,黄色,灰白色などの異常な色調を呈する。色調の異常は必ずしも眼底全体ではなく,後極部や周辺部の一部に限られることもある。2~3時間,暗室にいてもらって暗順応を行うとこの変色は消える(水尾―中村現象)。暗順応検査で第一次暗順応は正常に認められるが,第二次暗順応は3~4時間をへて正常あるいは正常近くに達する(正常では30分以内)。網膜電図(electroretinogram;ERG)は診断に有用で,full-field ERG検査でsingle flash ERGは燈negative type ERGを示し,杆体機能の異常が観察されるが,錐体機能を反映するphotopic ERGは正常である。
格子状角膜ジストロフィー
著者: 堀田喜裕
ページ範囲:P.490 - P.491
[疾患概略]
角膜ジストロフィーは遺伝性に角膜に混濁をきたす疾患で,これまでは主にその混濁の様子によって,格子状,顆粒状,膠様滴状というように分類されてきた。また,混濁の深さによって上皮,実質,内皮というように分類されることもある。また,こうした分類に基づいて病理学的にも検索が行われてきた。
格子状角膜ジストロフィーはその名のように格子状の混濁が観察される角膜ジストロフィーで,混濁の深さからは実質性角膜ジストロフィーに分類され,病理学的にはアミロイドの沈着を認める。格子状角膜ジストロフィーは3型に分類されている。1型は幼少時より線状,糸状の混濁が生じ,充血や眼痛などで受診し,壮年期に視力障害をひきおこし,角膜移植が必要になる。図1に格子状角膜ジストロフィー1型の61歳女性の前眼部写真を示す。2型は家族性アミロイドニューロパチーの4型に合併してみられ,全身にアミロイドの沈着を認める。フィンランド人に多くみられるという。3型は常染色体劣性遺伝で,1型とは異なるやや太めの線状混濁がみられるが,常染色体優性遺伝を示す3A型がまれであるが存在する。また,格子状の混濁に顆粒状の混濁の合併するAvellino角膜ジストロフィーの報告がある。
常染色体劣性網膜色素変性
著者: 中沢満
ページ範囲:P.492 - P.493
[疾患概略]
網膜色素変性は遺伝性網脈絡膜変性疾患を代表する疾患で,視細胞や色素上皮細胞を原発性に障害し,進行性の夜盲,視野狭窄,視力低下をきたす疾患である。本疾患は遺伝性でありながら遺伝形式が常染色体優性,常染色体劣性およびX連鎖性という種類があり単一の疾患ではなく,上記症状に網膜の特徴的な変性像を共通の病像としてもつ疾患の集合としてとらえられている。このうち常染色体劣性網膜色素変性はもっとも頻度が高く,本邦にて明らかに遺伝形式の同定される本症家系の約35%がこの遺伝形式であるといわれる。
白内障
著者: 児玉俊夫
ページ範囲:P.494 - P.495
[疾患概略]
水晶体は中間透光体として機能するために,均一で透明性を維持することが必要であるが,白内障とはこの透明な水晶体が混濁した状態である。白内障による臨床症状としては視力障害,霧視,羞明などがあげられるが,それらは水晶体の混濁程度による光の透過性の減少と散乱にほかならない。
ベーチェット病
著者: 小竹聡
ページ範囲:P.496 - P.497
[疾患概略]
ベーチェット病は多臓器侵襲性の炎症性疾患で,増悪と寛解を繰り返しながら慢性経過をたどる難治性疾患である。本病は全身のほとんどすべての臓器に病変を形成しうるが,とくに口腔粘膜のアフタ性潰瘍,結節性紅斑や毛嚢炎などの皮疹眼のぶどう膜炎,外陰部潰瘍の頻度が高い。特に眼症状は失明にいたる重度の視力障害を招くことから重要である。世界的な本病の分布をみると,地中海沿岸諸国から中東,中国,韓国,日本を結ぶシルクロード沿いに多発している。病因は不明であるが,人種をこえて本病患者のHLA-B51の頻度が高いことから,HLAに連鎖する素因の役割が重視されている。ただし,発症率の高い日系人でもカリフォルニアやハワイなどの在住者には本病の発症はなく,内因のほかに環境要因の関与が必要と考えられている。
[メモ]眼疾患遺伝子データベースKMeyeDB
著者: 蓑島伸生 , 清水信義
ページ範囲:P.498 - P.500
われわれは,ゲノム解析研究の一環として眼科関連の遺伝子疾患の原因遺伝子を追究しており,現在までに次の3種の新規遺伝子を同定した。それらは,ミオシリン(MYOC),網膜特異的アミン酸化酵素(AOC2),ISLR(Immunoglobulin Superfamily gene containing Leucin-rich Repeat)である1-3)。この中でミオシリンは,ほかの研究グループが,1番染色体長腕にリンクする原発性開放隅角緑内障(GLCIA)の原因遺伝子として報告した遺伝子TIGR(Trabecular meshwork-induced Glucocorticoid Responsive)と同一であった4)。われわれはそのほかにも,既知の眼科疾患原因遺伝子の日本人患者における塩基配列を解析し,様々な突然変異を同定してきた5)。われわれは,自身が発見したものも含めて,眼科関連遺伝子疾患の遺伝子や突然変異のデータを効率的にデータベース化し,遺伝子診断にも活用するために,新規のオンラインデータベースKMeyeDB(Keio Mutaion DataBase for eye disease genes)を構築している5)。本稿では,KMeyeDBの一端を紹介する。
13.感染症
クロイツフェルト-ヤコブ病
著者: 片峰茂
ページ範囲:P.502 - P.503
[疾患概略]
ヒトのクロイツフェルト-ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease;CJD)は伝達性海綿状脳症いわゆるプリオン病の一病型である。プリオン病は神経細胞の海綿状変性とアストロサイトの増生という特徴的病理変化を呈するが,共通して中枢神経系における不溶性かつプロテアーゼ抵抗性の異常型プリオン蛋白(PrPres)の蓄積が認められる。PrPresは宿主のPrnp遺伝子由来の正常プリオン蛋白(PrPc)から翻訳後変換により生成されたものである。プリオン病は実験動物への病気の伝達が可能であり,プリオン病脳組織中には何らかの感染因子(増殖実体)が存在する。CJDは中年以降の年齢で発症し,経過は非常に速く,歩行障害や視覚障害,精神症状が初発症状であるが,急速に痴呆が進行し,全身のミオクローヌスや特徴的な脳波異常が認められるようになり,1~2年で死に至る。
病因により孤発性,医原性,家族性の3型に分類される。脳硬膜移植などによる医原性CJDは汚染した感染因子の医療行為を介した感染が原因であり,家族性CJDはPrnp遺伝子の変異に基づくものである。CJDは感染症の側面と遺伝代謝病の側面の両面をあわせ持つことになる。ところがCJDの90%以上は原因不明の孤発性CJDであり,Prnp遺伝子変異もなく感染の証拠もない。1996年,英国において新たな疾患概念として新型CJDが提唱された1)。
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特集 エンドサイトーシス
47巻3号(1996年6月発行)
特集 細胞分化
47巻2号(1996年4月発行)
特集 カルシウム動態と細胞機能
47巻1号(1996年2月発行)
特集 神経科学の最前線
46巻6号(1995年12月発行)
特集 病態を変えたよく効く医薬
46巻5号(1995年10月発行)
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
46巻4号(1995年8月発行)
特集 ストレス蛋白質
46巻3号(1995年6月発行)
特集 ライソゾーム
46巻2号(1995年4月発行)
特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
46巻1号(1995年2月発行)
特集 神経科学の謎
45巻6号(1994年12月発行)
特集 ミトコンドリア
45巻5号(1994年10月発行)
特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
45巻4号(1994年8月発行)
特集 造血の機構
45巻3号(1994年6月発行)
特集 染色体
45巻2号(1994年4月発行)
特集 脳と分子生物学
45巻1号(1994年2月発行)
特集 グルコーストランスポーター
44巻6号(1993年12月発行)
特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
44巻5号(1993年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説
44巻4号(1993年8月発行)
特集 細胞接着
44巻3号(1993年6月発行)
特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
44巻2号(1993年4月発行)
特集 蛋白質の細胞内転送とその異常
44巻1号(1993年2月発行)
座談会 脳と遺伝子
43巻6号(1992年12月発行)
特集 成長因子受容体/最近の進歩
43巻5号(1992年10月発行)
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
43巻4号(1992年8月発行)
特集 細胞機能とリン酸化
43巻3号(1992年6月発行)
特集 血管新生
43巻2号(1992年4月発行)
特集 大脳皮質発達の化学的側面
43巻1号(1992年2月発行)
特集 意識と脳
42巻6号(1991年12月発行)
特集 細胞活動の日周リズム
42巻5号(1991年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
42巻4号(1991年8月発行)
特集 開口分泌の細胞内過程
42巻3号(1991年6月発行)
特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
42巻2号(1991年4月発行)
特集 脳の移植と再生
42巻1号(1991年2月発行)
特集 脳と免疫
41巻6号(1990年12月発行)
特集 注目の実験モデル動物
41巻5号(1990年10月発行)
特集 LTPとLTD:その分子機構
41巻4号(1990年8月発行)
特集 New proteins
41巻3号(1990年6月発行)
特集 シナプスの形成と動態
41巻2号(1990年4月発行)
特集 細胞接着
41巻1号(1990年2月発行)
特集 発がんのメカニズム/最近の知見
40巻6号(1989年12月発行)
特集 ギャップ結合
40巻5号(1989年10月発行)
特集 核内蛋白質
40巻4号(1989年8月発行)
特集 研究室で役に立つ新しい試薬
40巻3号(1989年6月発行)
特集 細胞骨格異常
40巻2号(1989年4月発行)
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
40巻1号(1989年2月発行)
特集 分子進化
39巻6号(1988年12月発行)
特集 細胞内における蛋白質局在化機構
39巻5号(1988年10月発行)
特集 細胞測定法マニュアル
39巻4号(1988年8月発行)
特集 細胞外マトリックス
39巻3号(1988年6月発行)
特集 肺の微細構造と機能
39巻2号(1988年4月発行)
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
39巻1号(1988年2月発行)
特集 遺伝子疾患解析の発展
38巻6号(1987年12月発行)
-チャンネルの最近の動向
38巻5号(1987年10月発行)
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
38巻4号(1987年8月発行)
特集 視覚初期過程の分子機構
38巻3号(1987年6月発行)
特集 人間の脳
38巻2号(1987年4月発行)
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
38巻1号(1987年2月発行)
特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
37巻6号(1986年12月発行)
特集 神経活性物質受容体と情報伝達
37巻5号(1986年10月発行)
特集 中間径フィラメント
37巻4号(1986年8月発行)
特集 細胞生物学実験マニュアル
37巻3号(1986年6月発行)
特集 脳の化学的トポグラフィー
37巻2号(1986年4月発行)
特集 血小板凝集
37巻1号(1986年2月発行)
特集 脳のモデル
36巻6号(1985年12月発行)
特集 脂肪組織
36巻5号(1985年10月発行)
特集 細胞分裂をめぐって
36巻4号(1985年8月発行)
特集 神経科学実験マニュアル
36巻3号(1985年6月発行)
特集 血管内皮細胞と微小循環
36巻2号(1985年4月発行)
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
36巻1号(1985年2月発行)
特集 Transmembrane Control
35巻6号(1984年12月発行)
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
35巻5号(1984年10月発行)
特集 中枢神経系の再構築
35巻4号(1984年8月発行)
特集 ゲノムの構造
35巻3号(1984年6月発行)
特集 神経科学の仮説
35巻2号(1984年4月発行)
特集 哺乳類の初期発生
35巻1号(1984年2月発行)
特集 細胞生物学の現状と展望
34巻6号(1983年12月発行)
特集 蛋白質の代謝回転
34巻5号(1983年10月発行)
特集 受容・応答の膜分子論
34巻4号(1983年8月発行)
特集 コンピュータによる生物現象の再構成
34巻3号(1983年6月発行)
特集 細胞の極性
34巻2号(1983年4月発行)
特集 モノアミン系
34巻1号(1983年2月発行)
特集 腸管の吸収機構
33巻6号(1982年12月発行)
特集 低栄養と生体機能
33巻5号(1982年10月発行)
特集 成長因子
33巻4号(1982年8月発行)
特集 リン酸化
33巻3号(1982年6月発行)
特集 神経発生の基礎
33巻2号(1982年4月発行)
特集 細胞の寿命と老化
33巻1号(1982年2月発行)
特集 細胞核
32巻6号(1981年12月発行)
特集 筋小胞体研究の進歩
32巻5号(1981年10月発行)
特集 ペプチド作働性シナプス
32巻4号(1981年8月発行)
特集 膜の転送
32巻3号(1981年6月発行)
特集 リポプロテイン
32巻2号(1981年4月発行)
特集 チャネルの概念と実体
32巻1号(1981年2月発行)
特集 細胞骨格
31巻6号(1980年12月発行)
特集 大脳の機能局在
31巻5号(1980年10月発行)
特集 カルシウムイオン受容タンパク
31巻4号(1980年8月発行)
特集 化学浸透共役仮説
31巻3号(1980年6月発行)
特集 赤血球膜の分子構築
31巻2号(1980年4月発行)
特集 免疫系の情報識別
31巻1号(1980年2月発行)
特集 ゴルジ装置
30巻6号(1979年12月発行)
特集 細胞間コミニケーション
30巻5号(1979年10月発行)
特集 In vitro運動系
30巻4号(1979年8月発行)
輸送系の調節
30巻3号(1979年6月発行)
特集 網膜の構造と機能
30巻2号(1979年4月発行)
特集 神経伝達物質の同定
30巻1号(1979年2月発行)
特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
29巻6号(1978年12月発行)
特集 最近の神経科学から
29巻5号(1978年10月発行)
特集 下垂体:前葉
29巻4号(1978年8月発行)
特集 中枢のペプチド
29巻3号(1978年6月発行)
特集 心臓のリズム発生
29巻2号(1978年4月発行)
特集 腎機能
29巻1号(1978年2月発行)
特集 膜脂質の再検討
28巻6号(1977年12月発行)
特集 青斑核
28巻5号(1977年10月発行)
特集 小胞体
28巻4号(1977年8月発行)
特集 微小管の構造と機能
28巻3号(1977年6月発行)
特集 神経回路網と脳機能
28巻2号(1977年4月発行)
特集 生体の修復
28巻1号(1977年2月発行)
特集 生体の科学の現状と動向
27巻6号(1976年12月発行)
特集 松果体
27巻5号(1976年10月発行)
特集 遺伝マウス・ラット
27巻4号(1976年8月発行)
特集 形質発現における制御
27巻3号(1976年6月発行)
特集 生体と化学的環境
27巻2号(1976年4月発行)
特集 分泌腺
27巻1号(1976年2月発行)
特集 光受容
26巻6号(1975年12月発行)
特集 自律神経と平滑筋の再検討
26巻5号(1975年10月発行)
特集 脳のプログラミング
26巻4号(1975年8月発行)
特集 受精機構をめぐつて
26巻3号(1975年6月発行)
特集 細胞表面と免疫
26巻2号(1975年4月発行)
特集 感覚有毛細胞
26巻1号(1975年2月発行)
特集 体内のセンサー
25巻5号(1974年12月発行)
特集 生体膜—その基本的課題
25巻4号(1974年8月発行)
特集 伝達物質と受容物質
25巻3号(1974年6月発行)
特集 脳の高次機能へのアプローチ
25巻2号(1974年4月発行)
特集 筋細胞の分化
25巻1号(1974年2月発行)
特集 生体の科学 展望と夢
24巻6号(1973年12月発行)
24巻5号(1973年10月発行)
24巻4号(1973年8月発行)
24巻3号(1973年6月発行)
24巻2号(1973年4月発行)
24巻1号(1973年2月発行)
23巻6号(1972年12月発行)
23巻5号(1972年10月発行)
23巻4号(1972年8月発行)
23巻3号(1972年6月発行)
23巻2号(1972年4月発行)
23巻1号(1972年2月発行)
22巻6号(1971年12月発行)
22巻5号(1971年10月発行)
22巻4号(1971年8月発行)
22巻3号(1971年6月発行)
22巻2号(1971年4月発行)
22巻1号(1971年2月発行)
21巻7号(1970年12月発行)
21巻6号(1970年10月発行)
21巻4号(1970年8月発行)
特集 代謝と機能
21巻5号(1970年8月発行)
21巻3号(1970年6月発行)
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21巻1号(1970年2月発行)
20巻6号(1969年12月発行)
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19巻6号(1968年12月発行)
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18巻6号(1967年12月発行)
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18巻4号(1967年8月発行)
18巻3号(1967年6月発行)
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17巻6号(1966年12月発行)
17巻5号(1966年10月発行)
17巻4号(1966年8月発行)
17巻3号(1966年6月発行)
17巻2号(1966年4月発行)
17巻1号(1966年2月発行)
16巻6号(1965年12月発行)
16巻5号(1965年10月発行)
16巻4号(1965年8月発行)
16巻3号(1965年6月発行)
16巻2号(1965年4月発行)
16巻1号(1965年2月発行)
15巻6号(1964年12月発行)
特集 生体膜その3
15巻5号(1964年10月発行)
特集 生体膜その2
15巻4号(1964年8月発行)
特集 生体膜その1
15巻3号(1964年6月発行)
特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム
15巻2号(1964年4月発行)
15巻1号(1964年2月発行)
14巻6号(1963年12月発行)
特集 興奮收縮伝関
14巻5号(1963年10月発行)
14巻4号(1963年8月発行)
14巻3号(1963年6月発行)
14巻1号(1963年2月発行)
特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
14巻2号(1963年2月発行)
13巻6号(1962年12月発行)
13巻5号(1962年10月発行)
特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
13巻4号(1962年8月発行)
13巻3号(1962年6月発行)
13巻2号(1962年4月発行)
Symposium on Permeability of Biological Membranes
13巻1号(1962年2月発行)
12巻6号(1961年12月発行)
12巻5号(1961年10月発行)
12巻4号(1961年8月発行)
12巻3号(1961年6月発行)
12巻2号(1961年4月発行)
12巻1号(1961年2月発行)
11巻6号(1960年12月発行)
Symposium On Active Transport
11巻5号(1960年10月発行)
11巻4号(1960年8月発行)
11巻3号(1960年6月発行)
11巻2号(1960年4月発行)
11巻1号(1960年2月発行)
10巻6号(1959年12月発行)
10巻5号(1959年10月発行)
10巻4号(1959年8月発行)
10巻3号(1959年6月発行)
10巻2号(1959年4月発行)
10巻1号(1959年2月発行)
8巻6号(1957年12月発行)
8巻5号(1957年10月発行)
特集 酵素と生物
8巻4号(1957年8月発行)
8巻3号(1957年6月発行)
8巻2号(1957年4月発行)
8巻1号(1957年2月発行)