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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

文献概要

特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患

こむら返り病

著者: 木下真男1

所属機関: 1東邦大学

ページ範囲:P.359 - P.360

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 [疾患概略]
 こむら返りとは,本来,腓腹筋部に起きる筋けいれんを指すが,この疾患では全身の骨格筋に同じような症状が出現する。そのため,全身こむら返り病とも呼ばれ,患者の状態をよく表してはいるが,日本語としては正しくない。原著者の名から里吉病とも呼ばれ,これまでの症例をまとめた里吉の論文では,主要症状を並べて筋けいれん・脱毛・下痢症候群とされている1)。筋けいれん,いわゆる「筋がつる」という状態が四肢,躯幹の筋肉に断続して出現する疾患で,疼痛がかなり激しく,睡眠も障害されるほどになる。最初の報告は,1967年里吉らによって,中枢神経原性反復性筋けいれんとして発表された2)。このけいれんは有痛性で,不定の四肢,躯幹筋に出現し,数分間続いておさまるが,同じ筋に反復して現れる傾向があり,一旦こうなると30分から1週間ほど連続して反復を繰り返すと記述されている。ほかに前述の脱毛,下痢も主症状で,その他骨の変形,短躯がみられることもあり,当初は全身性の代謝性疾患で,予後不良という印象が強かったが,最近では自己免疫的な機序が考えられ,治療で症状が軽快するようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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