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特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患
シャルコー-マリー-トゥース病
著者: 早坂清1
所属機関: 1山形大学医学部小児科
ページ範囲:P.373 - P.374
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シャルコー-マリー-トゥース(CMT)病は,緩徐進行性の遠位筋の筋力低下および萎縮を特徴とする遺伝性末梢神経疾患である。罹病率は2500~10000人に1人と高く,一般的に学童期以降に発症し,多くの症例では初期に下肢が侵されて歩行障害が起こり,進行し上肢にも及び,手の筋力低下を訴える。足筋の萎縮による槌状趾や凹足変形,深部腱反射の消失,手袋靴下型感覚障害なども特徴的な臨床症状である。しかし,症状には多様性があり,乳幼児期に発症する重篤なものから日常生活に支障なく罹病に気づかないものまで様々である。
本疾患は電気生理学的,病理学的に2型に分類され,1型では末梢神経伝導速度の遅延,末梢神経の肥厚,節性脱髄およびオニオンバルブの形成を認め,ミエリンの障害が主因と考えられている。2型では,神経伝導速度の遅延はないかあってもごく軽度であり,神経活動電位および神経幹刺激による誘発筋活動電位の低下を認め,末梢神経の肥厚は認めずオニオンバルブの形成もまれで,主因は軸索の障害にあると考えられている。
シャルコー-マリー-トゥース(CMT)病は,緩徐進行性の遠位筋の筋力低下および萎縮を特徴とする遺伝性末梢神経疾患である。罹病率は2500~10000人に1人と高く,一般的に学童期以降に発症し,多くの症例では初期に下肢が侵されて歩行障害が起こり,進行し上肢にも及び,手の筋力低下を訴える。足筋の萎縮による槌状趾や凹足変形,深部腱反射の消失,手袋靴下型感覚障害なども特徴的な臨床症状である。しかし,症状には多様性があり,乳幼児期に発症する重篤なものから日常生活に支障なく罹病に気づかないものまで様々である。
本疾患は電気生理学的,病理学的に2型に分類され,1型では末梢神経伝導速度の遅延,末梢神経の肥厚,節性脱髄およびオニオンバルブの形成を認め,ミエリンの障害が主因と考えられている。2型では,神経伝導速度の遅延はないかあってもごく軽度であり,神経活動電位および神経幹刺激による誘発筋活動電位の低下を認め,末梢神経の肥厚は認めずオニオンバルブの形成もまれで,主因は軸索の障害にあると考えられている。
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