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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

文献概要

特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患

アドレノロイコジストロフィー

著者: 山田猛1

所属機関: 1九州大学医学部附属脳神経病研究施設神経内科

ページ範囲:P.375 - P.376

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 [疾患概略]
 アドレノロイコジストロフィー(adrenoleukodystrophy;ALD)には,伴性遺伝型(X-linked ALD)と新生児型があるが,本稿では前者について述べる。伴性劣性遺伝をし,発生頻度は出生男子2万~10万人に1人とされる。中枢神経と末梢神経の髄鞘が進行性に破壊される脱髄疾患であり,副腎皮質の萎縮を伴う1,2)。多様な臨床病型があり,小児期発症で重篤な経過をとる小児大脳型と,成人発症で痙性対麻痺を呈するadrenomyeloneuropathy(AMN)が多い。思春期あるいは成人発症の大脳型がまれにみられる。アジソン病のみを呈するもの,生化学的異常のみの無症候例も存在する。
 小児大脳型は3~10歳頃に学業成績の低下,情緒不安定,異常行動などで発症し,痴呆,聴力障害,視力障害,運動失調,けいれんなどをきたす。1~10年で植物状態となり,発症から5~10年で死亡する。検査異常も含めると90%以上に副腎不全がみられる。AMNは思春期から成人期に下肢の痙性対麻痺による歩行障害で発症し,5~15年で杖歩行,車椅子生活となる。成人大脳型は精神分裂病様の精神症状で発症,急速に進行し,3~4年で死亡する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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