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特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患
ピリドキシン依存性てんかん
著者: 宮林重明1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野
ページ範囲:P.377 - P.378
文献購入ページに移動ピリドキシン依存性てんかんは,新生児期より(乳児期発症の非典型例もある)全身けいれんを頻発し,各種抗けいれん剤に反応せず,大量のピリドキシン投与によってのみけいれんを抑制することが可能な疾患である。ピリドキシン投与を中止するとやがて再びけいれんが起こり,放置すれば知能障害に陥り,ピリドキシン治療を早期に開始すれば正常の発達を期待しうる。遺伝形式は常染色体劣性遺伝が考えられている。
また,乳幼児期のけいれん(点頭てんかんの形で認めることが多い)には大量のピリドキシン投与に反応してけいれんが消失するピリドキシン反応性てんかんもあるが,長期的な投与は必要なく,予後良好で本症とは違う疾患群である。
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