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特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患
遺伝性小脳変性症:DRPLA
著者: 西澤正豊1 佐藤周三1 大泉太郎1
所属機関: 1国際医療福祉大学臨床医学研究センター
ページ範囲:P.387 - P.388
文献購入ページに移動歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral-pallidoluysian atrophy;DRPLA)は常染色体優性遺伝性小脳変性症の一病型で,歯状核赤核系と淡蒼球ルイ体系の変性を特徴とする。1982年の内藤,小柳の報告により疾患単位として確立された1,2)。世界的には日本人に多いが,頻度は人口百万あたり約5人とまれな疾患である。
臨床症状は発症年齢によって異なり,20歳未満で発症する若年型は進行性ミオクローヌスてんかん症候群を呈し,40歳以降に発症する遅発成人型は小脳失調,choreoathetosis,痴呆を主症状とする。これらの中間は早期成人型とされ,症状は両者の移行型になる。世代を経るに従い発症年齢が若年化する表現促進現象が最も顕著に認められる。
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