文献詳細
文献概要
特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患
先天性難聴
著者: 宇佐美真一1
所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.391 - P.392
文献購入ページに移動 [疾患概略]
疫学統計によれば,先天性難聴は新生児の約1000-2000人に1人の割合で認められるとされる。現在では,このうち感染など明らかな原因のあるもの以外は遺伝性のものと考えられている。遺伝性難聴にはいくつかの分類の仕方があり,従来からそれらの分類に従って論じられてきた。このうち遺伝形式による分類が一般的に用いられ,常染色体優性,常染色体劣性,伴性,ミトコンドリア遺伝によるものに分類されている。原因遺伝子が常染色体上に存在する場合,常染色体優性か常染色体劣性のいずれかの形式をとり,X染色体上にあれば伴性遺伝形式をとる。また,核以外の遺伝子として知られているミトコンドリア遺伝子に原因がある場合,母系遺伝の形式をとることが知られている。このほかの分類方法として,難聴のほかに症候を伴うか否かによって「症候群性難聴」と「非症候群性難聴」に分類されている。症候群性難聴に関しては,現在までに400種類をこえる疾患群が知られている。また,遺伝性難聴の大部分は難聴のみが症候である非症候群性難聴であり,このうち約75%は常染色体劣性遺伝形式をとる。
疫学統計によれば,先天性難聴は新生児の約1000-2000人に1人の割合で認められるとされる。現在では,このうち感染など明らかな原因のあるもの以外は遺伝性のものと考えられている。遺伝性難聴にはいくつかの分類の仕方があり,従来からそれらの分類に従って論じられてきた。このうち遺伝形式による分類が一般的に用いられ,常染色体優性,常染色体劣性,伴性,ミトコンドリア遺伝によるものに分類されている。原因遺伝子が常染色体上に存在する場合,常染色体優性か常染色体劣性のいずれかの形式をとり,X染色体上にあれば伴性遺伝形式をとる。また,核以外の遺伝子として知られているミトコンドリア遺伝子に原因がある場合,母系遺伝の形式をとることが知られている。このほかの分類方法として,難聴のほかに症候を伴うか否かによって「症候群性難聴」と「非症候群性難聴」に分類されている。症候群性難聴に関しては,現在までに400種類をこえる疾患群が知られている。また,遺伝性難聴の大部分は難聴のみが症候である非症候群性難聴であり,このうち約75%は常染色体劣性遺伝形式をとる。
掲載誌情報