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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

文献概要

特集 病気の分子細胞生物学 1.筋・神経・精神疾患

精神分裂病

著者: 有波忠雄1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系遺伝医学部門

ページ範囲:P.396 - P.397

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 [疾患概略]
 精神分裂病は主として思春期,青年期に発症し,種々の程度の残遺障害を残す一群の疾患である。思考,知覚,情動,動作,行動に関わる多彩な症候が様々な組み合わせで現れる。経過は通常慢性的であり,多くの分裂病患者は自分の能力を十分に発揮できず,複雑な仕事はできないか,あるいは仕事そのものができない。対人関係も種々の程度失われる。耐え難い症状のために,自殺に至る頻度も高い。罹病危険率はおおよそ0.8%,有病率は0.3%と頻度が高く,精神分裂病は莫大な人的,経済的な損失を人類に与えている。
 精神分裂病の多彩な症状は,陽性症状と陰性症状に大きく分けられる。陽性症状は華々しい産出性の症状で,陰性症状は欠陥あるいは欠損性の症状をいう。陽性症状には幻覚や妄想,緊張病様の行動,思考の滅裂,奇妙な行動などがある。また,陰性症状は感情の平板化,思考の貧困,意欲の欠如,快感消失,注意力の低下などがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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