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特集 病気の分子細胞生物学 2.呼吸器疾患
生後呼吸困難症候群
著者: 黒木由夫1
所属機関: 1札幌医科大学医学部生化学第一講座
ページ範囲:P.404 - P.405
文献購入ページに移動生後呼吸困難症候群では,肺サーファクタントの量的および質的機能不全のために,出生直後から重篤な呼吸困難をきたす。肺の未熟性のために肺サーファクタントが一次的欠乏を生じる疾患が新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome;RDS)で,肺サーファクタント特異蛋白のSP-Bの遺伝子異常に起因する重篤な呼吸障害を呈するのが先天性SP-B欠損症である。未熟児に見られるRDSでは,人工サーファクタント補充療法が効を奏するが,満期産児に多い先天性SP-B欠損症に有効な治療法はなく,致死的である。
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