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特集 病気の分子細胞生物学 3.循環器疾患
高血圧症
著者: 並河徹1 益田順一1
所属機関: 1島根医科大学臨床検査医学講座
ページ範囲:P.408 - P.409
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高血圧症は文字どおり血圧が高くなることが疾患の本態である。しかし大きな問題は,連続的な分布をとる血圧値の,どの値を越えたときにそれを病的に高いとして治療の対象とするかにある。血圧が高いこと自体は(極端なものや急激に変化するものを除いて)不都合を起こさない。問題は,それによって二次的に全身の血管系に器質的異常をきたし,ひいては心,脳,腎などに致命的な障害を起こすことである。従って,このような二次的な障害のリスクが高くなる血圧値を「病的に高い」ものと考えるべきであろう。この観点から,最近,高血圧の診断をほかの危険因子との兼ね合いで総合的に行うようになってきている1)。
高血圧症は文字どおり血圧が高くなることが疾患の本態である。しかし大きな問題は,連続的な分布をとる血圧値の,どの値を越えたときにそれを病的に高いとして治療の対象とするかにある。血圧が高いこと自体は(極端なものや急激に変化するものを除いて)不都合を起こさない。問題は,それによって二次的に全身の血管系に器質的異常をきたし,ひいては心,脳,腎などに致命的な障害を起こすことである。従って,このような二次的な障害のリスクが高くなる血圧値を「病的に高い」ものと考えるべきであろう。この観点から,最近,高血圧の診断をほかの危険因子との兼ね合いで総合的に行うようになってきている1)。
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