icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

特集 病気の分子細胞生物学

5.腎疾患

X染色体性アルポート症候群

著者: 吉岡加寿夫1

所属機関: 1近畿大学医学部小児科

ページ範囲:P.423 - P.424

文献概要

 [疾患概略]
 アルポート症候群は遺伝性の進行性腎炎に神経性(感音性)難聴などを伴う疾患である。思春期,成人若年期での末期腎不全の原因疾患として重要なものである。本症候群の遺伝型式としてはX染色体連鎖優性型のものが全体の約80~85%と最も頻度が高く,男性5,000人に1人の頻度である。その他に常染色体劣性型のものや孤発例の存在も知られている1)
 臨床的には,血尿,あるいは血尿と蛋白尿が男児で10歳までに気付かれる。蛋白尿は徐々に増加し,進行するとネフローゼ症候群を呈することがある。家系内の男性が腎不全に陥った年齢をみると,青年期(小児期から20歳前後)の家系と30歳以後の家系があることが知られている。腎外症状としては感音性難聴があり,腎症状に遅れて気付かれる。また,白内障,円錐角膜,球状水晶体,網膜色素変性などの眼症状がみられる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら