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文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

特集 病気の分子細胞生物学

8.代謝・栄養障害

反応性全身性アミロイドーシス

著者: 馬場聡1

所属機関: 1浜松医科大学医学部病理学第二講座

ページ範囲:P.457 - P.458

文献概要

 [疾患概略]
 反応性全身性アミロイドーシスは慢性炎症性疾患に合併してくるアミロイドーシスで,続発性アミロイドーシスとも呼ばれる。最近では,原因蛋白であるamyloid A(AA)の名からAAアミロイドーシスと呼ばれることも多い。基礎となる疾患は,以前は結核を代表とする感染症が多かったが,近年では慢性関節リウマチ(RA)が大部分である1)。RAにおける本症の合併頻度は消化管生検スクリーニングでの成績では7~10%程度,またRAの剖検例では21~25%に本症がみられる。本症では全身諸臓器に小血管壁を主体にアミロイドが沈着するが,臨床的には消化管と腎に難治性・進行性の機能障害をみることが多く,後者の場合には特に予後不良となる。本症でアミロイドとして沈着するAA蛋白の前駆体がserum amyloidA(SAA)である。AAはSAAのN末端から76個とする報告が多いが,必ずしも一定していない。SAAは急性期蛋白で,血中濃度は炎症時に数百倍以上に増加する。RAなど慢性炎症性疾患では血中SAAの持続的高値状態となり,これが本症発症の必要条件である。しかしそれだけでは必ずしも発症せず,ほかの要因も必要と考えられていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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