icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

文献概要

特集 病気の分子細胞生物学 9.内分泌疾患

偽性副甲状腺機能低下症

著者: 武田京子1

所属機関: 1高知医科大学検査部

ページ範囲:P.471 - P.472

文献購入ページに移動
 [疾患概略]
 偽性副甲状腺機能低下症(pseudohypoparathyroidism;PHP)は副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)に対する標的組織の抵抗性を表す疾患で,血中PTH濃度高値にもかかわらず,血清カルシウム濃度の低値,リン(P)濃度の高値を表す。本症はヒトPTH投与による尿中cyclic AMP(cAMP)およびPの排泄量を指標とするEllthworth Howard試験によって,Ⅰ型(cAMP,Pともに無反応),Ⅱ型(cAMPは反応,Pは無反応)に分類される。さらに,Ia型では低身長,円形顔貌,中手/足骨短縮(brachydactyly),皮下骨腫などのAlbright hereditary osteodystrophy(AHO)徴候がみられ,PTHのみならずほかのG蛋白共役型受容体に結合するホルモン(TSH,Gonadotropin)にも抵抗性を示し,膜蛋白のGs活性低下が認められる。Ib型はAHOを欠き,PTHにのみ抵抗性を示し,Gs。活性は正常である。Ic型では,AHOと多ホルモン抵抗性を示しながら,Gs活性は正常である。Ia型の家系の中には,AHOとGs活性低下を示しながら,血清PTH,Ca,Pが正常の例があり,偽性偽性副甲状腺機能低下症(pseudopseudohypoparathyroidism;PPHP)と呼ばれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら