icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学50巻5号

1999年10月発行

特集 病気の分子細胞生物学

12.眼疾患

ベーチェット病

著者: 小竹聡1

所属機関: 1北海道大学医学部眼科

ページ範囲:P.496 - P.497

文献概要

 [疾患概略]
 ベーチェット病は多臓器侵襲性の炎症性疾患で,増悪と寛解を繰り返しながら慢性経過をたどる難治性疾患である。本病は全身のほとんどすべての臓器に病変を形成しうるが,とくに口腔粘膜のアフタ性潰瘍,結節性紅斑や毛嚢炎などの皮疹眼のぶどう膜炎,外陰部潰瘍の頻度が高い。特に眼症状は失明にいたる重度の視力障害を招くことから重要である。世界的な本病の分布をみると,地中海沿岸諸国から中東,中国,韓国,日本を結ぶシルクロード沿いに多発している。病因は不明であるが,人種をこえて本病患者のHLA-B51の頻度が高いことから,HLAに連鎖する素因の役割が重視されている。ただし,発症率の高い日系人でもカリフォルニアやハワイなどの在住者には本病の発症はなく,内因のほかに環境要因の関与が必要と考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら