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特集 細胞内輸送
高等動物細胞における小胞体-ゴルジ体間のスフィンゴ脂質輸送とエネルギー要求性
著者: 深澤征義1 花田賢太郎1
所属機関: 1国立感染症研究所細胞化学部
ページ範囲:P.525 - P.530
文献購入ページに移動 生物の基本単位である細胞は,細胞膜・オルガネラ膜といった様々な生体膜で区切られたコンパートメントを有している。相互のコンパートメント間では極めてダイナミックな膜脂質のやりとりが行われつつ,これら膜系の恒常性が維持されている。このように,絶え間ない動的微小変化の中で全体の秩序を維持する能力は,生物システムの白眉たる一面であり,同時に驚異でもある。膜脂質の代謝は様々な代謝酵素が異なる細胞内コンパートメントで的確に機能し,さらに生じた多様な脂質分子が細胞内オルガネラ間を的確に選別・輸送されなければならず,極めて複雑で巧妙なシステムを構築していると考えられる。膜脂質代謝酵素については近年分子レベルでの解析が進みつつあるが,膜脂質の細胞内輸送と組織化・再編成については特に解析手段の困難さもあり,解明は遅々としている。
本稿では,生体膜の主要な構成脂質であるスフィンゴ脂質の小胞体―ゴルジ体間輸送に焦点を当て,われわれの得意とする高等動物細胞変異株を用いた遺伝学的手法1)が膜脂質輸送の解析にも有効な手段の一つであることを紹介したい。
本稿では,生体膜の主要な構成脂質であるスフィンゴ脂質の小胞体―ゴルジ体間輸送に焦点を当て,われわれの得意とする高等動物細胞変異株を用いた遺伝学的手法1)が膜脂質輸送の解析にも有効な手段の一つであることを紹介したい。
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