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特集 細胞内輸送
受容体タンパク質の細胞内輸送におけるソーティング
著者: 平澤明1 辻本豪三1
所属機関: 1国立小児医療研究センター分子細胞薬理部
ページ範囲:P.560 - P.564
文献購入ページに移動 受容体は細胞膜表面に存在し,細胞外のシグナルを細胞内へ伝えるセンサー分子である。多くの研究から,受容体は単純に細胞膜表面にあるのではなく,様々な段階で調節を受けていることが明らかになっている。その調節機構としては,刺激を受けた後,シグナルが減弱する脱感作現象,細胞表面から細胞内へ移動するインターナリゼーション,長時間の刺激により受容体数が減少するダウンレギュレーションなどの現象が知られている。この受容体の中で,G蛋白質共役型の受容体は非常に大きなファミリーを形成することが明らかになっており,また生理機能の重要性から薬物開発上の主要なターゲットになっている。われわれの研究成果を含め,最近の受容体の細胞内輸送機構の研究状況について,G蛋白質共役型受容体を中心に述べたい。
受容体の挙動の観察は,標識リガンドその他を用いる従来の間接的な定量に加えて,最近では受容体蛋白を蛍光プローブを用いて直接可視化する方法がとられるようになった。多くの蛍光標識分子の開発や検出技術の進歩により,蛍光検出法は非常に高感度かつ簡便に行えるようになってきている。われわれも,この蛍光を用いた可視化技術を用いることで直接的に受容体の細胞内局在とその調節機構を解析している。
受容体の挙動の観察は,標識リガンドその他を用いる従来の間接的な定量に加えて,最近では受容体蛋白を蛍光プローブを用いて直接可視化する方法がとられるようになった。多くの蛍光標識分子の開発や検出技術の進歩により,蛍光検出法は非常に高感度かつ簡便に行えるようになってきている。われわれも,この蛍光を用いた可視化技術を用いることで直接的に受容体の細胞内局在とその調節機構を解析している。
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