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特集 細胞内輸送
インスリンシグナリングにおけるRabタンパク質
著者: 柴田宏1
所属機関: 1群馬大学生体調節研究所細胞調節分野
ページ範囲:P.565 - P.573
文献購入ページに移動 インスリンの作用は多彩であり,その多くは生化学的研究の対象とされてきた。しかし,インスリンのもっとも有名な血糖降下作用,すなわち細胞内グルコース取り込み促進作用は,細胞内小胞輸送という機構を利用して発現されている。インスリンで調節を受けるいくつかの酵素に関しては,近年インスリン受容体からのシグナルが標的酵素までつながり,インスリンによる活性調節機構の概要がほぼ解明された。しかし,グルコース取り込み作用に関しては,小胞輸送という複雑な細胞生物学的課題を含むことから,その作用機構の全貌はいまだ解明の途上にある。本稿では,インスリン受容体からのシグナルがどのようにして細胞内小胞を動かすのかという点に関して,筆者が関心をもっているRabファミリー低分子量GTP結合蛋白による調節という観点からながめてみたい。
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