文献詳細
連載講座 個体の生と死・14
文献概要
末梢神経系の発生の研究は,光学顕微鏡下の二次元的所見を合成し,復工模型を作製するという方法を採ってきたが,Levi-MontalciniとHamburger1)により神経成長因子(nerve growth factor;NGF)が発見されると,研究の重点は神経線維の成長とそれを促す物質の発見に移った。これまでにNGFがファミリーを構成すること,そしてNGFファミリータンパク質以外の神経成長因子(神経栄養因子ともいわれる)が存在することがわかっている2)。現在では,神経の分化,成熟,生存維持,老化防止といった因子の発現に関する遺伝子のクローニングと因子のはたらきを解明するための分子生物学的研究が盛んに行われている。
末梢神経系の起源については,運動神経(脊髄内の一次ニューロンの神経突起)以外の殆どすべての構成成分(交感・副交感神経,感覚細胞,シュワン細胞,メラニン色素細胞,腸管内神経節細胞,平滑筋細胞)が神経堤細胞から分化するとまでいわれるようになり,その分化を促す因子も発見されている。また,分化に伴って発現する転写調節因子群のカスケードも明らかになってきている3)。
末梢神経系の起源については,運動神経(脊髄内の一次ニューロンの神経突起)以外の殆どすべての構成成分(交感・副交感神経,感覚細胞,シュワン細胞,メラニン色素細胞,腸管内神経節細胞,平滑筋細胞)が神経堤細胞から分化するとまでいわれるようになり,その分化を促す因子も発見されている。また,分化に伴って発現する転写調節因子群のカスケードも明らかになってきている3)。
掲載誌情報