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特集 脳を守る21世紀生命科学の展望
神経変性疾患の克服―Parkinson病
著者: 水野美邦1 服部信孝1
所属機関: 1順天堂大学医学部脳神経内科
ページ範囲:P.32 - P.38
文献購入ページに移動 Parkinson病は黒質と青斑核神経細胞の変性を主病変とする変性疾患で,本邦における有病率は約1000人に1人といわれる1)。臨床的には振戦,固縮,動作緩慢,姿勢反射障害を四大症候とするが,その他にも自動運動の障害(まばたきの低下,arm swingの消失,自動的な唾液の飲み込み障害による流涎など),すくみ足,自律神経障害(便秘,脂漏性顔貌,低血圧,頻尿など)など広範な症状を呈しうる。責任病巣の小ささに比べて,実に多彩な臨床症候を呈する疾患として極めてユニークである。L-dopaの治療への導入以来,生命予後は著明に改善し,平均余命は一般人口とほぼ同じところまできている2)。しかし,患者の生活の質(QOL)という点になるとまだまだ現行の治療方法のみでは満足のゆくものではなく,原因究明の努力,根本的治療法の解明の努力が必要な領域である。
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