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文献詳細

雑誌文献

生体の科学51巻2号

2000年04月発行

特集 細胞極性の形成機序

動物初期発生における不等分裂機構の多様性

著者: 清水隆1

所属機関: 1北海道大学大学院理学研究科生体情報分子学講座

ページ範囲:P.117 - P.122

文献概要

 動物の初期発生は,細胞数の増加とともに,胚の中に大まかな部域的な差が作り出されるプロセスである。この部域的な違いにより,胚は明瞭な極性(polarity)をもつようになり,胚軸確立の基礎が作り出される。このような部域差創出を準備し,実現するのが卵割という一連の細胞分裂である。中でも,大きさの異なる娘細胞を生ずる不等分裂(unequal division)は,分裂自体が極性をもつことから,古くから部域差創出の卵割パターンの典型例として注目されてきた。
 不等分裂は現象としては単純であるが,これまでの様々な動物での研究から,その機構はひと通りではなく,多様であることが明らかになってきた。本稿では,動物初期発生,特に第4卵割までに起こる不等分裂に焦点をしぼり,多様な不等分裂機構を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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