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特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
フィコリンによる補体レクチン経路の活性化
著者: 藤田禎三1 遠藤雄一1 松下操1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部生化学第二講座
ページ範囲:P.244 - P.249
文献購入ページに移動補体系は抗体を認識分子として機能する古典的経路が先に発見されたため,抗体を補うという意味で補体と名付けられた。補体系には認識分子が関与しない第二経路があり,自然免疫に関与していると考えられた。近年,これらに加えて,血清レクチンの一つマンノース結合レクチン(MBL,以前はマンノース結合蛋白MBPと呼ばれていた)が直接異物表面の糖鎖を認識して活性化を起こすレクチン経路と呼ばれる第三の補体活性化経路の存在が明らかにされた。MBLによる補体活性化経路ははじめ古典的経路の一つのバイパスとみなされていたが,MBLと複合体を形成する新たなセリンプロテアーゼの発見によって補体第一成分C1の関与なしに起こることが明らかにされ1,2),新たな経路として確立されるにいたった。(図1)。
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