文献詳細
解説
文献概要
無脊椎動物は脊椎動物に見出されるような獲得免疫を欠いているにも関わらず,体液が無菌状態に保たれている。これは獲得免疫に代わる,細胞防御反応(食作用,包囲化など)と液性防御因子(レクチン,溶解素,殺菌素,酵素など)両者の働きにより,外部からの侵入物質を阻止しているためといわれている。このうち体液防御因子は,微生物などの感染からの保護に役立ち,感染の早い段階において重要な役割を果たしていると考えられている。
アフリカマイマイ(Achatina fulica Férussac)は陸棲軟体動物で,以前よりイカ類やアメフラシと共にその「巨大ニューロン」が神経科学の研究材料とされてきた1,2)。また,その神経節から得られる生理活性ペプチドの研究も進められている3,4)。アフリカマイマイは日本では沖縄県と小笠原諸島に棲息している。これらの地域の気候は,日本の他の地域に比べて一年中温度が高く,雨季には湿度が非常に高いため,微生物にとっても繁殖しやすい条件になっている。このような劣悪な環境下に棲息するアフリカマイマイは,その体表から侵入する物質に対する特殊な防御機構を持ち,身を守っているのではないかと考えられていた。
アフリカマイマイ(Achatina fulica Férussac)は陸棲軟体動物で,以前よりイカ類やアメフラシと共にその「巨大ニューロン」が神経科学の研究材料とされてきた1,2)。また,その神経節から得られる生理活性ペプチドの研究も進められている3,4)。アフリカマイマイは日本では沖縄県と小笠原諸島に棲息している。これらの地域の気候は,日本の他の地域に比べて一年中温度が高く,雨季には湿度が非常に高いため,微生物にとっても繁殖しやすい条件になっている。このような劣悪な環境下に棲息するアフリカマイマイは,その体表から侵入する物質に対する特殊な防御機構を持ち,身を守っているのではないかと考えられていた。
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